【タイ】三越、ワン・バンコク参画で合弁2社設立[商業]

三越伊勢丹ホールディングス(HD)は21日、タイの大手財閥TCCグループが首都バンコクで開発を進めている大型複合施設「ワン・バンコク」プロジェクトへの参画で、合弁会社2社を設立した発表した。オフィス事業と小売事業の複合開発を進める。

三越伊勢丹は4月5日、TCCグループ傘下の不動産開発・投資会社TCCアセッツ(タイランド)とシンガポール系不動産開発大手フレイザーズ・プロパティーの2社の子会社ワン・バンコクと合弁契約を締結。同19日にオフィス賃貸を手がける「ワン・バンコク・タワー4」と、食品小売りを手がける「ワン・バンコク・ミツコシ」を設立した。

タイ商務省商業開発局(DBD)への登記によると、ワン・バンコク・タワー4とワン・バンコク・ミツコシの登録資本金はそれぞれ35億6,300万バーツ(約153億円)と1億バーツ。

オフィス事業は、5棟あるオフィスタワーのうちの1棟「タワー4」に出資。小売事業では、商業施設のうち、飲食店やカフェ、スーパーマーケットなどが入居する「パレード」の地下1階に、食品・飲食カテゴリーに特化した「三越のれん」のストアを年内に出店する。

三越伊勢丹はワン・バンコクへの参画について、既にシンガポールとマレーシア、フィリピンに出店している点を踏まえ、東南アジアを重要な海外戦略エリアとして認識していると説明。不動産事業と組み合わせた小売りの出店による収益の最大化と、オフィス事業に関する知見の獲得、そして、TCCとフレイザーズとの東南アジア諸国連合(ASEAN)地域で協業の拡大を視野に入れた関係性の構築を狙う。

大型複合施設「ワン・バンコク」で開業予定の「三越のれん」のストアのイメージ=21日(三越伊勢丹提供)

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