米、ICCに制裁検討へ 国務長官「議会と連携」

[ワシントン 21日 ロイター] - ブリンケン米国務長官は21日、国際刑事裁判所(ICC)がイスラエルのネタニヤフ首相らに逮捕状を請求したことについて、議会と連携しICCへの制裁を検討する考えを表明した。

上院歳出委員会の小委員会で、共和党のリンゼー・グラム上院議員にICCへの制裁発動に向けた超党派の取り組みを支持するか問われ「連携することに前向き」と応じた。

ICCのカーン主任検察官は20日、パレスチナ自治区ガザでの戦闘を巡り、戦争犯罪と人道に対する罪の疑いでネタニヤフ首相ほかイスラエルのガラント国防相、イスラム組織ハマス幹部3人の逮捕状を請求。バイデン米大統領は「言語道断」だと非難している。

ブリンケン氏はこの日開かれた上院外交委員会の公聴会で、ICCの逮捕状請求に対し、議会と連携し「適切な措置を講じる」と述べていた。ICCの判断は「極めて誤った」決定で、イスラエルとハマスが人質解放や休戦で合意する道筋を複雑にする恐れがあると述べた。

トランプ前政権は2020年、ICCがアフガニスタンでの米軍兵士の戦争犯罪捜査を承認したことが米国の主権を侵害したとして、当時の主任検察官などICC職員に資産凍結と渡航禁止の制裁を科した。バイデン政権は発足から間もない21年4月に制裁を解除した。

ブリンケン氏は当時の声明で制裁が「不適切で効果がないとの判断」に基づき解除したと説明していた。

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