「お金をもらえると聞いた」実行役の男2人、報酬目的か 殺人容疑で再逮捕 那須夫婦焼損遺体事件

事件の構図

 那須町伊王野の河川敷で4月中旬に夫婦の焼損遺体が見つかった事件で、県警と警視庁の合同捜査本部は21日、殺人の疑いで実行役とみられる神奈川県、韓国籍、無職男(20)と住所、職業不詳の男(20)を再逮捕した。2人は仲介役から夫婦の殺害と遺体の処理を持ちかけられたとみられる。当初の調べに韓国籍の男は「やらなかったら何をされるか分からないと怖くなり受けた」、もう1人の男は「頼まれたことをやればお金をもらえると聞いた」などと供述。捜査本部は報酬目的で事件に加わったとみている。

 捜査本部はこれまでに死体損壊容疑で6人を逮捕。殺人容疑での再逮捕は仲介役とみられる埼玉県越谷市、建設業の男(25)、指示役とされる住所、職業不詳の男(28)に続き4人になった。主導役とされる東京都世田谷区、会社役員の男(32)ら残り2人についても殺人容疑での立件を視野に調べている。

 再逮捕容疑は他の容疑者らと共謀し、4月15日午後11時50分ごろから翌16日午前1時半ごろまでの間、同品川区東五反田4丁目、空き家1階のガレージ内で、同千代田区、会社役員男性=当時(55)=と妻の会社役員女性=同(56)=の首を絞めるなどして殺害した疑い。女性の頭部には複数の骨折があった。捜査本部は認否を明らかにしていない。

 捜査関係者によると、韓国籍の男は当初、知人の仲介役とされる男から「4月上旬ごろ、死体を車で運ぶ依頼を受けた。数日後、殺して運ぶ依頼になった。報酬は数百万円と言われた」などと供述。「ターゲットの男女がいる場所や死体を燃やす大まかな場所を伝えられた」と話した。捜査本部は実行役の2人は夫婦の名前を知らず、年代や身体的な特徴などを聞いていたとみている。

 実行役とされる2人は事件後、滞在先の大阪府内で受け取った報酬を遊興費やブランド品などの購入に充て、大半を使ったとみられる。

 仲介役とされる男は実行役とされる2人について「普段からけんかっ早く、怖い物を知らない雰囲気だった」と供述しており、実行役として2人を誘ったとみられる。

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