英シェル株主総会、投資家グループ提案の気候変動対策を否決

[ロンドン 21日 ロイター] - 英石油大手シェルは21日の年次株主総会で、投資家グループによる気候変動対策に関する株主提案を圧倒的多数で否決した。

株主提案は「物言う株主」の環境団体「フォロー・ディス」が主導し、投資家27人のグループが支持していた。提案ではシェルに対し、中期の炭素排出量削減目標を地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に合わせるよう求めていた。

株主提案への賛成は暫定結果で18.6%。昨年は20%強だった。

シェルの取締役会は決議案に反対票を投じるよう呼びかけていた。

シェル取締役会が提出した気候変動戦略に関する別の決議案は78.2%の賛成を得た。

ワエル・サワン最高経営責任者(CEO)は記者団に「フォロー・ディスの提案への支持率が下がったことをうれしく思う。私たちのエネルギー転換の方向性に対する信頼と確信が高まっていることの表れだ」と語った。

株主総会は、気候変動デモ参加者による妨害で複数回、中断された。総会の外でも抗議活動が行われた。

シェルは3月、旺盛なガス需要の見通しとエネルギー転換を巡る不透明感を理由に、2030年の炭素排出削減目標を引き下げ、石油とガスを中心とした収益性の高い事業に注力するとしていた。

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