富山県高岡市の竹平邸活用しビジネス交流拠点 被災の奥能登ブリッジ

打ち合わせをする奥能登ブリッジ関係者と竹平氏(左)=高岡西条BASE

 能登半島地震で運営していたコワーキングスペースが全壊した合同会社CとH(石川県珠洲市、伊藤紗恵代表)は、富山県高岡市美幸町に交流拠点「高岡西条BASE」を開設した。三協アルミニウム工業の創業者、故竹平政太郎氏の邸宅の一部を活用した施設で、ビジネス交流や研修、コミュニティーづくりの場とする。

 コワーキングスペース「奥能登ブリッジ」は2023年7月、珠洲市にあった化粧品店兼住宅を改装してオープンしたが、半年後の地震で全壊。CとHは、奥能登地域の復興を目指し、金沢市に新たな拠点「金沢BASE」を設け、IT研修をはじめ被災地の女性のキャリア支援などに取り組み始めた。

 高岡西条BASEの開設は、奥能登ブリッジとつながりのあった政太郎氏の孫の竹平政男氏が、活動を再開した伊藤代表らの力になりたいと協力を申し出て実現した。居住スペースとして、使っていなかった応接間と庭園を貸し出す。

 アルミ建材のトップメーカーを築いた政太郎氏の邸宅であることに加え、政男氏がペレットストーブメーカーのシモタニ(岐阜県下呂市)の社長を務めていることから、交流拠点のテーマとして「ものづくり」と「エネルギー」を掲げる。CとHは、交流事業を企画するほか、研修やイベントの開催希望を受け付ける。

 邸宅は、政男氏が木質燃料を用いた暖房や給湯を導入するなど、エネルギーの実証実験の場にもなっており、庭園にはペレットを使うテントサウナもある。被災地復興に向け、高岡西条BASEで生まれた企業や人のネットワークとともに、再生可能エネルギーである木質燃料の利活用のノウハウを生かすことを模索するという。

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