米マサチューセッツ州で昨年9月、SNSで流行していた「激辛トルティーヤ・チップスを食べる」企画に挑戦し、14歳の少年が死亡した。
同州は5月16日、少年は「カプサイシン(トウガラシなどに含まれる辛みをもたらす天然成分)濃度の高い食品を食べ、心臓発作で死亡した」と検視結果を発表した。
CNN によると、少年には先天性の心臓疾患があったという。
少年が食べたのは、PAQUI(パキ)社の「ワン・チップ・チャレンジ」。
激辛で知られるキャロライナ・リーパーやナーガ・ヴァイパーなどで味付けされたトルティーヤ・チップスだ。
唐辛子の辛さを表す「スコヴィル値(SHU)」でいうと、キャロライナ・リーパーは最高220万SHU と測定されている。ハバネロ(約20万SHU)の10倍以上の数値だ。
キャロライナ・リーパー
発売当初、若者を中心に「ワン・チップ・チャレンジ」を食べる様子を撮影し、TikTokなどに投稿する人が続出していた。
NBCニュース によると、棺桶をかたどった外箱には成人向けの商品だと注意書きが記載されていた。ところが、未成年者が次々と「ワン・チップ・チャレンジ」に挑戦し、カリフォルニア州では高校生3人、ミネソタ州では生徒7人が病院に搬送されるなど複数の報告が寄せられたという。
パキ社は昨年、「ワン・チップ・チャレンジ」の製造と販売を中止 した。広報担当はCNNの取材に対し、次のように述べている。
「ワン・チップ・チャレンジは成人のみを対象としており、子どもや、辛いものに敏感な人、基礎疾患を持つ人のための製品でないことを明確に、かつ目立つように表示していました」
「私たちは、10代の若者やその他の人々が警告を無視しているという報告を受けました。結果、該当製品は食品安全基準を満たしていたものの、慎重を期して、小売業者と協力し売り場から撤去しました」
サムネイル画像:Getty Images