メルセデスF1から上級スタッフがまたひとり離脱。一方で積極的に優秀な人材を獲得しているとTDアリソンが明かす

 メルセデスF1は、もうひとりの上級職メンバーと袂を分かつことになった。チームで6年間を過ごしたチーフエアロダイナミシストのジョアッキーノ・ビーノが離脱することになったのだ。

 ビーノの離脱については、彼が決めたことなのか、それともメルセデスが現在2024年型マシンの空力とバランスに苦しめられていることの結果によるものなのか、明らかになっていない。いずれにせよ、ビーノの離脱は、最近発表されたパフォーマンスディレクターのロイック・セラと、ドライバー育成担当ディレクターのジェローム・ダンブロジオの辞任に続くもので、このふたりは今年の後半にフェラーリで仕事を始める予定となっている。

 F1のグラウンドエフェクトレギュレーションが導入されてから2年以上が経過したが、メルセデスは競争力を取り戻すために今も戦っている。メルセデスでは、昨年10月にチーフテクニカルオフィサーのマイク・エリオットも辞任した。エリオットは以前、現テクニカルディレクターのジェームズ・アリソンとポジションを交換していた。

2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

 ビーノの辞任のニュースに対して、アリソンは最近離職者がいるものの、チームは積極的に新たな技術的専門知識を有する人材を獲得していることを強調した。

「私がモチベーションについてコメントする意味はないと思う。チームには、経験豊富で優秀な人材がある程度必要であることは明らかだ」と、アリソンは金曜日にイモラでメディアに語った。

「経験豊富で優秀な人材がチームから去るのは見たくないものだが、同じ割合で経験豊富で優秀な人材が集まってもいる。つまり我々の仕事は、人々が他のどこよりも我々と一緒にいたいと思えるような行動をとることにあると考えている」

 アリソンの中立的なトーンとは裏腹に、かつてのチャンピオンシップ制覇チームの舞台裏で何が起きているのかということを、メルセデスでの最近の出来事が曖昧ながらも描き出している。メルセデスがF1のトップ集団での地位を取り戻そうと努力するなか、彼らがこういった上級スタッフの離脱にどのように対処し、この移行期を乗り切るのか見ていくのは興味深いことだ。

2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP FIA会見 ジェームズ・アリソン(メルセデス テクニカルディレクター)

投稿 メルセデスF1から上級スタッフがまたひとり離脱。一方で積極的に優秀な人材を獲得しているとTDアリソンが明かすautosport web に最初に表示されました。

© 株式会社三栄