優勝時に“池ダイブ”!? 世界1位・女子プロのキャディが語る感想はまさかの…?

今シーズンのネリー・コルダは、開幕第2戦の「LPGAドライブオン選手権」の優勝から始まり、出場した「ファーヒルズ・セリパク選手権」「フォード選手権」「Tモバイル・マッチプレー」、そして4月メジャー第1戦「シェブロン選手権」と、出場した5試合連続で優勝する偉業を達成。シェブロン選手権優勝時には、恒例となっている池へのジャンプも行った。

開幕から出場した5試合すべて優勝!

そんなコルダのバッグを担いでいるキャディーは、2017年には日本の野村敏京の優勝キャディーもしていたジェイソン・マクデードだ。2021年の東京オリンピックでもコルダの金メダル獲得に貢献しているベテランキャディーだ。

そんなジェイソンが、コルダが出場しなかった4月最終週の「JMイーグルLA選手権」の会場にいたので、話してみた。

「今週はコルダが欠場しているから、オフなんじゃなかったけ?」

と尋ねると、

「オフというか、オフじゃないというか。お父さんの“仕事”をしているよ」

との答え。

ジェイソンは、LPGA選手であるキャロリン・マソンと結婚しており、1歳になる息子ベントンくんがいる。そのベントンくんを抱き抱えるジェイソンに、ホールアウトしたマソンもやってきた。今週は、キャディー業ではなく、お父さん業をしているというわけだ。クラブハウスに引き上げるマソンにベントンくんを渡すと、今度はキャディーバッグを抱えながら、ベントンくんが乗ってきたであろうベビーカーを押す。マソンのキャディーは別にいるのだが、ホールアウト後なので、キャディーバッグを預かって、そのままクラブハウスへ引き上げていったのだ。

メジャー優勝の翌週とあって、そういえば!と思い出したことがある。

一昨年まで、シェブロン選手権の会場はカリフォルニア州のミッションヒルズCC。恒例となっている池への飛び込みは、1988年に二度目の優勝を果たしたエイミー・アルコットが、優勝直後に歓喜のあまり18番グリーンの隣にあるポピーズポンドに飛び込んだことから始まった。砂漠地帯にあるミッションヒルズCCなら池に飛び込んでも気持ちいいだけだが、会場をテキサス州ヒューストンに移した昨年の最終日、そして今年の大会の最終日も気温は低かった。しかも、池はまだ未整備で、水面には油と埃が浮いている状態。池からは亀も顔を出すなど、選手からの評判は決して良くなかった。

そんな池に飛び込んだジェイソンに感想を聞いてみると

「臭かった」と。

そりゃそうだろね。ただ、「メジャー優勝して嬉しかったから、飛び込むのは当たり前だったけどね」

と嬉しそう。

今後も池への飛び込みは伝統として続きそうだ。

フォトグラファー 田辺安啓(通称JJ)
●たなべ・やすひろ/1972年生まれ、福井県出身。ニューヨーク在住。ウェストバージニア大学卒業後、ゴルフコース、テレビ局勤務を経験し、ゴルフを専門とするフォトグラファーに転身。ツアーのみならず、コースやゴルフ業界全般に関わる取材も行なっている。

取材・写真=田辺安啓
TEXT & PHOTO Yasuhiro JJ TANABE

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