<レスリング>60ヶ国が出場枠を獲得、日本の13階級は3位…2024年パリ・オリンピック

昨年9月の世界選手権(セルビア)からスタートした2024年パリ・オリンピックの出場枠獲得争いは、今月の世界最終予選で終了し、60ヶ国288選手が出場枠を獲得(注=中立で出場するAINを、ロシアとベラルーシに分けて「2ヶ国」として計算)。国際オリンピック委員会(IOC)の難民チームによる2選手が加わり(関連記事)、290選手がパリのマットで闘う。

出場国は前回の東京大会より1ヶ国少ないが、前回はグアムから1選手のみの出場だったオセアニアから、今回はオーストラリア2選手(男子フリースタイル2)、グアム2選手(女子2)、サモア1選手(男子フリースタイル1)、ニュージーランド1選手(女子1)の4ヶ国6選手が出場枠を獲得。女子は前回の35ヶ国から2ヶ国増えて37ヶ国が出場することになり、世界レスリング連盟(UWW)の懸案のひとつだったレスリングの世界的な普及は前進したと言えよう。

▲オセアニア振興の起爆剤となるか、サモア代表の赤澤岳(日大OB)

日本は、女子で全6階級の出場キップを獲得し、男子フリースタイル4選手、男子グレコローマン3選手がパリのマットに立つ。合計13選手は東京大会の12選手から1選手増え、AIN=ロシアの16選手、米国の15選手に続く世界3位の出場選手数。前回もロシア(17選手)、米国(15選手)に続き、キューバと並んで3位の選手数だった。

男子フリースタイルではAIN=ロシア、米国、アゼルバイジャンが全階級で出場。男子グレコローマンはイランエジプトが全階級でパリへ。女子は日本のほか、米国が全階級出場を果たす。前回は全階級で出場を果たした中国は3階級にとどまった。

アジアにおける日本のライバルだった韓国は、前回に続いて男子グレコローマン2選手のみの出場。北朝鮮は、軽量級で伝統を持つ男子フリースタイルで出場枠獲得を逃したが、女子で4選手が出場することになり、男子グレコローマン1選手とともに、前回を3選手上回る5選手が出場枠を獲得した(注=東京大会は最終的に、コロナを理由に棄権)。

アゼルバイジャンは、前回7階級の出場で2016年リオデジャネイロ大会の14階級出場の半分だったが、今回は12階級に回復。一方で、女子は3階級が1階級のみの出場と減少した。

各国(注:正確にはNOC=各国オリンピック委員会)の出場枠数と獲得階級は下記の通り。

▲オリンピック5度優勝の偉業へ挑戦するか、ミハイン・ロペス(キューバ、注=同国の男子グレコローマン130kg級の出場枠獲得選手は別の選手であり、ロペスの出場は明らかにされていません)=UWWサイトより


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