タンク給水車、次は火災現場へ走れ 熊本地震や豪雨で被災者支援に活躍 特殊車両メーカー、大津町に寄付 

寄付されたタンク給水車にためた水を放水する消防団員ら=17日、大津町
金田英樹町長から感謝状を受け取るイズミ車体製作所の國武幸弘社長(右)=17日、大津町

 特殊車両メーカーのイズミ車体製作所(大津町)は17日、2トンタンク給水車を大津町に寄付した。町消防団が火災現場へ大量の水を運べるようになり、消火栓がない地域などでの活動の充実が期待される。

 給水車は2016年の熊本地震の際、同業者の極東開発工業(大阪)が、大津町の被災企業支援でイズミ車体に寄付。西原村や南阿蘇村でも給水を支援した。その後、日本赤十字社熊本県支部に寄付され、20年の熊本豪雨では球磨村で活躍した。24年3月にイズミ車体へ戻り、今回、大津町に寄付された。

 同町では昨年度、16件の火災が発生。うち6件が消火栓などの消防水利が確保しづらい地域だった。山林や田畑も多く、延焼が懸念される場所もある。町防災交通課によると、全国でタンク給水車を持つ消防団は珍しいという。

 この日は町役場で、金田英樹町長がイズミ車体の國武幸弘社長に感謝状を贈呈した。金田町長は「防災機能の向上と住民の安心安全に寄与する」と感謝。國武社長は「町民の身体と財産を守ってほしい」と話した。(草野太一)

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