八代妙見祭で使う獅子頭、106年ぶりに新調 中嶋町獅子舞保存会が11月に舞奉納へ

新調された獅子頭と胴衣で舞を披露する中嶋町獅子舞保存会のメンバー=12日、八代市
新調された獅子頭と胴衣で舞を披露する中嶋町獅子舞保存会のメンバー=12日、八代市

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産の八代妙見祭で獅子舞を奉納する中嶋町獅子舞保存会は、獅子頭と胴衣を新調した。12日には八代市の八代神社(妙見宮)で鮮やかな赤色が目立つ新たな獅子を関係者に披露した。

 保存会によると、獅子舞は1691年から毎年11月の八代妙見祭で奉納されている。獅子頭と胴衣は老朽化などで傷みが目立つことから新調を決めた。頭の新調は106年ぶり。費用は国と熊本県、市の補助金と、保存会の積立金を活用。福岡県と京都府の業者に制作を依頼し、従来の衣装を再現した。

 この日は保存会や県、市の関係者らが境内に集結。神事の後、ラッパや銅鑼[どら]、かねの音色に合わせて雌雄2頭の獅子が頭を激しく振りながら舞い踊った。保存会の楮木[かじき]孝一頭取(74)は「完成品を間近に見て胸が熱くなった。100年先まで残せるよう大切に使っていきたい」と話した。

 新調した衣装での獅子舞は、八代妙見祭神幸行列がある11月23日に八代神社や砥崎河原で披露される予定。(上島諒)

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