久保建英のレアル・マドリード復帰の可能性は? クロースの電撃引退で

レアル・ソシエダから移籍の際、マドリードに優先権。

スペイン1部レアル・マドリードに所属するドイツ代表MFトニ・クロース(Toni Kroos)が5月21日、今シーズン限りで現役引退すると発表した。

34歳ではあるものの今季ラ・リーガ32試合・1得点・8アシスト、公式戦通算46試合・1得点・9アシストを記録。強力なアタッカー陣を牽引しながらも、数多くのゴールをもたらしてきた。観る者をアッと驚かせる視野の広いプレー選択は相変わらずだ。

残すはラ・リーガの残り1試合、そしてUEFA欧州チャンピオンズリーグ(CL)のボルシア・ドルトムントとのファイナル、この2試合に全力を尽くす。

そしてこの電撃発表で、一つ可能性として浮上するのが、レアル・ソシエダでプレーする日本代表MF久保建英(Takefusa KUBO)の復帰だ。

レアル・マドリードからソシエダへ移籍した際、マドリードは事実上50パーセントの保有権を確保。スペイン複数メディアによると、もしも久保がソシエダから移籍する際、設定額の半額とされる3000万ユーロ(約50億円)で獲得できるというオプションが付帯されているという。また、別クラブからオファーがあった際、まずレアル・マドリードが優先して交渉できる権利があるとも言われる。

クロースはセンターハーフを主戦場として、今季は4-4-2(4-3-1-2)の左MF、アンカーなどを務めてきた。久保とは完全にポジションが重なるわけではない。ただフランス代表キリアン・エムバペ(Kylian Mbappe)の加入する来季、4-3-3への変更が予想される。

となると、インサイドハーフとウイング、あるいはセンターフォワードにも対応できる久保のようなタイプも必要とされるのではないか――。また2019年のプレシーズンでは、ジネディーヌ・ジダン監督のもと、レフティはボランチにもチャレンジしていた。それはクロース、そしてルカ・モドリッチ(Luka Modric)の後継を見据えての起用にも見えた。

もちろん6月4日で23歳になる久保だが、今年2月には2029年6月までレアル・ソシエダとの契約を更新している。基本的には来シーズンも「残留」となるが、今季初出場しベスト16に進んだCLは「病み付きになる」と、そのレベルの高いステージへの憧憬も口にしていた。

久保としても、ともにプレーしたロドリゴ、さらにヴィニシウス同世代がチームの中心となってきただけに、受ける刺激も大きく、さらにエムバペらとともに一緒に「軸」となっていく。そんな楽しみな未来も広がる。

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フロレンティーノ・ペレス会長、そしてカルロ・アンチェロッティ監督はどのようなメンバー構成を考えていくのか。まず白い巨人は、クロースのラストマッチにもなるドルトムントとのCLファイナルに集中する。

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