愛知製鋼の岐阜工場 生産能力を27%増強 電動車部品新ライン稼働

新ラインのめっき設備

 愛知製鋼(本社東海市)は21日、岐阜工場(各務原市)でハイブリッド車(HV)など電動車用の部品「パワーカード用リードフレーム」の新ラインを稼働したと発表した。同工場で4本目のラインになる。全社での同部品の生産能力を従来比27%増の月760万個に増強した。投資額は約10億円。HV中心に電動車向けの需要増に備える。

 新ラインは、高い品質や生産性を確保した。めっき工程では液の濃度などを細かに制御し、最適にめっき膜をつくれるようにしている。さらに既設のめっき設備と洗浄装置を共用することで省人化を図った。また検査工程では独自の自動画像検査装置を活用し、不良品の流出を防いでいる。

 同日、岐阜工場で新ラインを報道陣に公開した。スマート生技製造統括部部長の西畑克彦執行職は「さらに設備増強できる余地がある。将来の需要増にも対応したい」と話した。

 リードフレームは、モーターの電力制御などを行うパワーカードに必要な放熱部品。車両1台当たりで複数枚使われる。同社は2006年から生産を開始し、現在は電子部品工場(東海市)と岐阜工場の2カ所で生産している。

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