パナソニック くらしアプライアンス社、家電に加えて家具をコーディネートした賃貸住宅を提供

空室率の改善や家賃単価UPを検討する賃貸オーナー、管理会社向けのサービス「noiful」の家電パッケージ提供サービスに、家具を追加したプランを開始した。

同社は2022年より、賃貸オーナー、管理会社に向けて「not owning is fulfilling」(持たざることは満たされること)をコンセプトに「noiful(ノイフル)」というサービスを開始している。パナソニック製の家電パッケージを貸与し、賃貸オーナー、管理会社が家電付き賃貸として提供できる「noiful ROOM」と、同社が物件預託を受けてリノベーション、生活動線を考えて家電を設置した上でその後の物件管理・運用まで対応する「noiful LIFE」の2つを展開する。

ザ・パークハビオ東長崎の家具家電付きの一室

今回「noiful ROOM」において、家電パッケージに加え、家具を設置するプランの提供を開始した。「noiful ROOM」の家電パッケージプランには、あらかじめパナソニックが部屋に合わせた家電を備え付ける固定パッケージと、入居者が、入居開始時もしくは入居後にサービスの利用を選択してラインアップの中から好きな家電を選んで利用できるパッケージがあるが、今回は固定パッケージを導入する。IKEA港北と協力して、「ザ・パークハビオ 川口」(埼玉県川口市)、「ザ・パークハビオ 東長崎」(東京都豊島区)の一部の部屋にベッドやカーテン、照明などの家具を取り付けた。ハウジングアプライアンス事業推進室の小林和毅主幹は、「noifulの導入物件は、入居してすぐに家電を使えることが強みであったが、家具もついていれば入居してすぐに、より快適な生活ができる」と、最初から整った部屋で生活できる利便性を訴求する。

柔軟な住まい方、環境貢献など

現代社会の価値観にフィットするサービス

家電パッケージは月額サブスクリプション制で、パナソニックの安心サポート(修理・交換無償)がつき、入居者は気軽にパナソニックの高品質な家電を体験できる。同社は、noifulのサービスを通して目指す先として、将来的に「くらしの循環」、「住まいの循環」、「モノの循環」の3つの循環を掲げる。くらしの循環は、家電の購入費や運搬費などの引っ越し費用を抑えつつ、暮らし向きに合わせて軽やかに住みかえができることを指す。住まいの循環とは、ストック住宅・空き家に先進的な家電の設置などをして再価値化すること。モノの循環では、将来的に返却された家電を新品同様の状態に整備するリファービッシュを行い再利用することで、家電の廃棄を減らすことを目指す。買わない・捨てないという行動実践で環境に貢献したいという理由で、家具家電付き物件を検討する人も一定数いるのではないかとした。

モノを持たない暮らしや、環境にいい暮らしなどが好まれるようになるなか、今後もこうした家具家電付き賃貸住宅は注目を浴びそうだ。

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