形と組手の“二刀流” 空手の西日本大会で優勝の女子中学生 「目標は終わらない」 目指すは全国制覇【愛媛発】

極真空手の西日本の大会で組手と形の部で優勝した愛媛の女子中学生が、今や日本屈指の実力派に育ち「二刀流」に磨きをかけている。たゆまぬ努力の根底にあるのは「目標は終わらない」。
普段は絵が好きな中学生が全国制覇を目指し、空手の道を極めんとしている。

「組手」と「形」二刀流で極めたい

気迫こもる突きや蹴り。身長147cmの小柄な体で、指先まで意識した力強く美しい技を磨いているのは愛媛・松山市の鴨川中学校の2年生、大澤里菜選手だ。

6歳から空手を始め、2023年の相手と拳を交える組手の全国大会で、初めて全国の表彰台3位に上がった。

大澤里菜選手:
組手が苦手だったのもあったので、ちゃんと勝てたんだといううれしさ、喜びが表彰台に上がったときにすごく湧いてきました

空手には、選手が1対1で互いに技をかけ合う「組手」と、技の正確性やスピード、力強さなど気迫のこもった演武を採点する「形」の2種類がある。
どちらかを選択する選手が多い中、大澤選手が目指すのは二刀流だ。

大澤選手は、「どっちとも良さがあると思うので極めたいです」と話し、組手と形、どちらも極めようと稽古に励んでいる。

大澤選手は1年半ほど前に、今の道場「国際・如水会館原田道場」に移籍した。

全国大会優勝経験を持つ社会人や高校生の先輩がいて、「もっと強くなりたい」と向上心に燃える大澤選手にとって大きなモチベーションになっている。

2024年春に行われた西日本の大会では、中学1年上級の部の組手、一般の部の形の2部門で優勝し、2つのメダルを手にした。

技術や心構えなどを先輩に質問し熱心に練習に取り組んできた成果が、実を結び始めている。

指導者の原田寛館長は、「彼女は目標に対してのひたむきな努力、常に手抜きのない誰にも負けない努力で事に臨みますので、これから勝ちと負けの試練の中で成長していくのかなと思っています」と大澤選手を評価した。

空手と絵 うまく切り替え突き進む

道場では凛々(りり)しい大澤選手。しかし道着を脱ぐと絵を描くことが好きな中学生。

学校では美術部に所属していて、取材した日は正面玄関を飾る黒板アートを仲間と一緒に描いていた。

大澤選手が描いた絵は、校区内の国道沿いに掲げられた看板にもなっている。

松山市が美化意識啓発のため設置しているもので、2024年に大澤選手のデザインが採用された。

大澤里菜選手:
空手のとき、自分の中でオンをつくって、絵を描く趣味になったらオフにして。オンとオフで切り替えています

次なる目標は“全国制覇”

オンとオフのスイッチをうまく切り替えながら、突き進む空手道。

大澤里菜選手:
「目標は終わらない」という言葉が好きで、目標がなかったら上を目指せないと思うので、しっかり目標を持って終わりはないので、どんどん目標を持って努力していきたいです。形と組手、どっちかが欠けることのないように、どっちとも練習をがんばって全国制覇を目指していきたい

「目標は終わらない」。二刀流だからこそ目指せる形と組手の全国制覇。

大澤選手は、大好きな空手の道を極めるため、誰にも負けない努力を重ねていく。

(テレビ愛媛)

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