BMW、14年ぶりにル・マンへ投入する“アートカー”のデザイン公開。20号車Mハイブリッド V8が『20台目』に

 BMWは5月21日、6月のWEC世界耐久選手権第4戦ル・マン24時間レースに投入するMハイブリッド V8の特別カラーリング、“アートカー”を発表した。

 パリのポンピドゥー・センターで発表されたこのデザインは、BMWが『アート・カー』ラベルを掲げる20番目のもので、エチオピア生まれのアメリカ人アーティスト、ジュリー・メレトゥによってデザインされた。

 BMW Mチーム WRTが走らせるこの20号車は、シェルドン・ファン・デル・リンデ、ロビン・フラインス、レネ・ラストの3名がドライブする予定だ。

 現在ヴェネツィアで展示されているメレトゥの前作『Everywhen』がデザインの出発点となり、2次元のイメージが3次元の表現に変換された。このデザインは、デジタル的に変更された写真を特徴としており、ドットグリッド、ネオンカラーのベール、黒いマーキングが何層にも重ねられており、後者はメレトゥの作品における特徴となっている。

20台目のBMWアートカーのデザインの出発点となった『Everywhen』

「BMW Mハイブリッド V8のモデルを展示していたスタジオで、私はその絵の前に座って考えた。もしこのクルマがその絵を通過し、その影響を受けたらどうなるだろうと」とメレトゥは語った。

「このクルマは展示するようなものではないと思う。ル・マンでレースするものとして考えている。パフォーマティブな絵画だ」

「私のBMWアートカーは、モータースポーツチームとエンジニアリングチームとの緊密なコラボレーションによって生まれた。BMWアートカーは、レースが終わって初めて完成するのだ」

今回のアートカーをデザインしたジュリー・メレトゥと20号車の3人のドライバーたち
BMWが2024年のル・マン24時間レースに投入する20号車BMW Mハイブリッド V8の特別カラーリング
BMWが2024年のル・マン24時間レースに投入する20号車BMW Mハイブリッド V8の特別カラーリング

 ル・マンに先立ち、Mハイブリッド V8は5月26日にイタリアのヴィッラ・デステで開催されるコンコルソ・デレガンツァに登場、同車は過去のアートカー6台とともに展示される予定だ。

 これには、アレクサンダー・カルダーがデザインした初代BMW 3.0 CSLと、2010年にジェフ・クーンズがデザインしたBMW M3 GT2(ル・マンでレースに出場した最後のアートカー)の両方が含まれている。

2010年のル・マン24時間レースに出場したBMW M3 GT2のアートカー

「20台目のBMWアートカーがル・マン24時間レースに投入されたことは、我々にとってモチベーションであると同時に名誉なことだ」とBMW Mモータースポーツ・ディレクターのアンドレアス・ルースは語った。

「我々BMW Mモータースポーツは、BMWアートカーがこのブランドのレースの歴史の中で非常に重要な意味を持つことを全員が認識している」

「レースウイークの我々の目標は、20号車BMW Mハイブリッド V8が、その優れたデザインだけでなく、レーストラックでの強力なパフォーマンスでも注目を集めるようにすることである」

「ロビン・フラインス、レネ・ラスト、シェルドン・ファン・デル・リンデは傑出したドライバーであり、ハイパーカークラスでトップの結果を目指して戦えることを今季すでに証明している」

「我々はシーズンのハイライトに向けて可能な限り最善の準備をしており、自分たちと自分たちのクルマを最高の状態で示す決意を固めている」

BMWが2024年のル・マン24時間レースに投入する20号車BMW Mハイブリッド V8の特別カラーリング
BMWが2024年のル・マン24時間レースに投入する20号車BMW Mハイブリッド V8の特別カラーリング
BMWが2024年のル・マン24時間レースに投入する20号車BMW Mハイブリッド V8の特別カラーリング

投稿 BMW、14年ぶりにル・マンへ投入する“アートカー”のデザイン公開。20号車Mハイブリッド V8が『20台目』にautosport web に最初に表示されました。

© 株式会社三栄