ソリッドステート3D LiDAR「YLM-10LX」発売とLumotive社との提携強化

北陽電機株式会社(本社:大阪市、代表取締役:尾崎 仁志)は、米国テクノロジー企業Lumotive社(米国ワシントン州レドモンド)と共同で開発した独自のソリッドステートスキャニング技術を活用した3D LiDARのプロトタイプモデル「YLM-X001」の量産モデル「YLM-10LX」を商品化することが決定いたしました。

北陽電機 Lumotive社

昨年6月に発表した「YLM-X001」と比較して小型のLCM(TM)(Light Control Metasurface)チップLM10を採用することでサイズとコストを最適化し、より小さな筐体に収まるように内部構造を再設計しました。

北陽電機は、本製品の核となる機能を実現するために、独自のLiDAR設計技術とLumotive社の最先端ビームステアリング技術LCMを統合しました。

この製品では1ラインのレーザ光を垂直に走査しながら投光し、1ラインずつ受光します。そのため、視野全体に光を照射するToFカメラと比べて、マルチパス干渉を軽減できるため、移動体の環境でもより正確な距離測定が可能となります。機械的なスキャンとは異なり、FoV(視野)の範囲、FoVの数、およびその解像度をソフトウェアによって動的に変更することができます。また複数のFoVを同時に設定することもできます。

本製品は、従来のメカニカルスキャン技術では実現できなかった革新的なアプリケーションを可能にし、今後LiDARの利用拡大が見込まれるAGV/AMRやサービスロボットなど、将来の搬送機器を中心に事業拡大を目指します。

YLM-10LX 製品イメージ

■主な仕様

検出距離 :0.5~10m(反射率10%時)

視野(FoV) :水平:120度(固定)

垂直 :90度(ソフトウェアにて変更可能)

距離精度 :σ<0.7%(反射率10%時)

画像解像度 :最大 640×480(VGA)、デフォルト 320×240(QVGA)

角度分解能 :最小 0.188度(VGA)、デフォルト 0.375度(QVGA)

フレームレート:10Hz以上(QVGA)

サイズ :W120.0mm×D57.2mm×H63.5mm

北陽電機は本製品の創出にあたり、2022年12月よりLumotive社と戦略的パートナーシップを組み、共同開発を進めてきました。【2023年6月1日プレスリリース参照】

このパートナーシップを強化するため、北陽電機は今後もLumotive社のLiDAR関連技術で自社の技術をさらに補完し、市場でより競争力の高い製品を生み出していきます。また、北陽電機は革新的な3D LiDARの開発を目指すと同時に、今後はLumotive社のコア技術との相乗効果を通じて、新たな活動領域も開拓していきます。

■Lumotive社の概要

受賞歴のあるLumotive社の光半導体ソリューションは、モバイル端末、自動運転車、ロボットなどの次世代コンシューマ製品、モビリティ製品、および産業オートメーション製品における高度なセンシングおよび認識機能を可能にします。同社が特許取得しているLight Control Metasurface(LCM(TM))ビームステアリングチップは、高性能、卓越した信頼性、低コストの比類のない組み合わせを、小型で簡単に統合できるソリューションで提供します。 Lumotive社は、Fierce Electronicsの2021年スタートアップ オブ ザ イヤー賞、CESイノベーション賞2回、2022 SPIE PRISM賞、権威あるエジソン賞など、業界で目に見える評価を受けています。投資家には、Gates Frontier、MetaVC Partners、Quan Funds、Samsung Ventures、Uniquest、USAAが含まれます。

■Lumotive社について

会社名 : Lumotive Inc.

所在地 : 米国ワシントン州レドモンド

設立 : 2018年

代表者 : Sam Heidari, Ph.D. (CEO)

事業内容: Light Control Metasurface(LCM(TM))の開発・製造・販売

URL : https://www.lumotive.com/

■北陽電機について

会社名 : 北陽電機株式会社

所在地 : 〒550-0002

大阪府大阪市西区江戸堀一丁目9番6号 肥後橋ユニオンビル9F

設立 : 1946年

代表者 : 尾崎 仁志(代表取締役)

事業内容: 産業用センサの開発・製造・販売

URL : https://www.hokuyo-aut.co.jp/

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