トラブル止まらず危機感 熊本市電でまたもや“信号無視” 大西熊本市長も「安全へ感覚おろそか」

2024年に入り、運行トラブルが相次いでいる熊本市電でまた信号無視のミスだ。熊本市交通局は5月13日に運転士が電車用の赤信号を無視して電停に進入するミスが起きたと発表した。

熊本市電が電車用の信号無視し電停侵入

熊本市交通局によると、5月13日午前9時半ごろ、洗馬橋電停で電車用の信号が赤にもかかわらず、50代の男性運転士が交差点の手前で止まらず、そのまま電停に進入したということだ。
このミスで他の車両との接触などはなく、乗客3人にケガはなかった。

熊本市電をめぐっては、2024年に入りドアを開けたまま走行するなど、「重大インシデント」2件を含む4件のトラブルが起きていて、今回で5件目になる。

5月2日にも上熊本電停付近で運転士が信号を無視して電停を出発するという今回と同じようなミスが起きていた。

相次ぐトラブルに熊本市交通局・松尾達哉運行管理課長は「一件一件その都度、対策をしているが、それでもなかなか(トラブルが)止まらないことに危機感を覚えて重く受け止めている」と述べた。

大西市長「安全への感覚がおろそか」

大西一史熊本市長:本年1月以降、重大事故につながりかねないインシデントが立て続けに発生しています。改めてこのことを重く受け止め、深く市民におわび申し上げます。大変申し訳ございませんでした

14日の定例会見で、大西熊本市長は相次ぐ市電のトラブルを陳謝した上で「非常に由々しき問題。組織の中で慢心といったら語弊があるかもしれないが、安全への感覚がおろそかになっていた部分があると認識している。そうでなければ、こんなにインシデントが発生することはありえない」と述べた。

熊本市は運転士不足や待遇の問題など背景を含めて検証するため、有識者による検証委員会を設置し、5月23日に1回目の会合が開かれる予定だ。

(テレビ熊本)

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