総額8880億円で最高更新 県内25市町の24年度当初予算 DX推進や物価高要因

 栃木県内25市町の2024年度普通会計当初予算の総額は前年度比4.2%増の8880億900万円に上り、過去最高を更新したことが21日、県のまとめで分かった。増加は7年連続となった。行政サービスのデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進や、物価高騰対策などが主な要因。国庫支出金や市町の繰入金などが増加しており、予算規模の拡大が続いている。

 県総合政策部によると、総額は前年度比で360億1500万円増加した。18市町で予算額が増え、7市町で減った。

 歳入は国庫支出金が8.5%(108億7500万円)増の1387億8100万円。DX推進、脱炭素化、物価高騰対策の補助金や交付金の増額が押し上げた。施設整備基金や財政調整基金を取り崩した繰入金は24.3%(101億9200万円)増の520億7千万円だった。

 地方税は、6月にスタートする定額減税に伴う個人住民税の減収で1.4%(43億9200万円)減の3145億8800万円。個人住民税の減額分を国が補填(ほてん)するため、地方特例交付金は大幅に増え、4.4倍の91億1500万円となった。

 地方債は臨時財政対策債が減少したが、1.3%(6億8800万円)増の543億200万円となった。歳入に占める自主財源割合は51.2%で1.4ポイント減った。

 歳出は児童手当の制度改正や障害福祉サービスの利用の伸びで、扶助費が5.7%(111億9900万円)の増加。物件費は行政DXのシステム整備費や公共施設整備費などで8.2%(109億9500万円)増の1449億6900万円となった。

 市町別にみると、最も増加額が大きいのは宇都宮市で105億1300万円(4.8%)の増。退職者への手当などが主な理由という。新規の「強い農業づくり総合支援事業」を進める上三川町は伸び率でトップ。減少額が大きかったのは鹿沼市の8億6千万円で、水源地域振興拠点施設整備事業費の減額が影響した。

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