朗読劇、県内に広めたい 市民グループが新事業 声優や舞台俳優志望の若手育成にも

原作のメインキャラクターの賢者ルリ

 朗読劇を県内に広げようと、市民グループ「癒しのマルシェ実行委員会」が朗読劇「リーディングセッション」をプロと地域で作り上げる事業を始める。第一弾の公演は8月24日、県総合文化センターで開かれる。キャストに人気声優を迎えるほか、一般公募し、声優や舞台俳優を目指す若手の育成につなげる。今月31日までオーディション参加者を募集している。

 実行委は2021年、シングルマザーとして幅広い地域活動に取り組む宇都宮市の室井(むろい)かなえ(35)が立ち上げた。年1、2回、「癒やし」をテーマにイベントやマルシェを開いている。

 県内で朗読活動を展開するフリーアナウンサー須賀由美子(すがゆみこ)との出会いから、大人から子どもまで楽しめる朗読劇に魅力を感じ、親しむ機会も設けてきた。事業は地域を巻き込んだ活動に発展させようと、昨年冬から準備を進めている。

 初開催の公演で、オリジナル作品「魔王と賢者の転生TOCHIGIライフ」を上演する。栃木放送開局60周年を記念して製作されたご当地ラジオドラマ「異世界賢者の転生栃木ライフ!」が原作で、本県を舞台としたファンタジーストーリーだ。

 脚本を担当した菅沼惇史(すがぬまあつし)(33)がリメークする。演出も兼ねる菅沼は「キャストの魅力を引き立てながら、ステージならではの面白さを引き出したい」と構想を話す。

 メインキャストは須賀のほか、テレビアニメ「あんさんぶるスターズ!」の逆先夏目(さかさきなつめ)役などを演じる声優野島健児(のじまけんじ)、舞台を中心に声優や俳優として活動する福地教光(ふくちたかみつ)。

 オーディションではメインキャストを含め5人程度を採用する。応募資格は15歳以上で、プロ、アマは問わない。1時間強のステージパフォーマンスができる技量や、交通費を自己負担することなどが条件。野島らが審査する。

 希望者は氏名、電話番号、顔写真と簡単なプロフィル、1分程度のボイス動画か、音声をメール(healing.marche.250@gmail.com)に送る。

 プロデュースする室井は「地域に根差した活動に成長させながら、若手が夢や希望を持てるよう挑戦できる環境を提供したい」と話している。

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