KSP-POS マーケットトレンドレポート「日本のお菓子」

*POSデータの対象店舗数、抽出期間等は巻末参照。

キットカット

テレビやニュースで取り上げられるように、実際の街中でも至る所でインバウンドの増加を実感する事が増えている。手軽に購入ができ、お土産にもなる日本のお菓子は、インバウンドの影響を受けているのだろうか?POSデータから、インバウンドに反応しそうなキーワードやブランドの売上実績を確認したい。

お菓子で人気の和風フレーバーと言えば「抹茶」。チョコレート菓子の定番、キットカットで確認すると、抹茶のシェアは直近2024年3月で16.8%。前年の2023年3月は10.8%だったので、1年で6%シェアが増えた。他のフレーバーと比較して圧倒的に前年比の増加率が高く、売上が好調な事がわかる。

▲KSP-POS 食品SM(全国、2024年2月26日週~4月8日週)

キットカットでは、抹茶だけでなく、日本らしい味やパッケージの商品が様々発売されている。

ポッキー

日本のお菓子として人気が高いポッキーは、2023年4月~2024年3月の1年間で金額前年比107%と好調。中でも”地域限定”、”通常の1.5倍サイズ”、”個包装”とお土産にぴったりな「地元ポッキー」は、シェアは大きくないが、年間で金額前年比189%と大きく伸長。

▲KSP-POS 食品SM(全国、2023年4月~2024年3月)

▲KSP-POS 食品SM(全国、2023年4月~2024年3月)

歌舞伎揚

歌舞伎とせんべい、両方の日本伝統文化を伝える歌舞伎揚は、包装袋に歌舞伎で使用されている定式幕「緞帳」の模様を取入れ、せんべいの一枚一枚にも歌舞伎の家紋をデザインしたものを刻印しており、日本らしい見た目も大きな特徴のひとつである。

揚げ物(米菓)カテゴリー全体の金額はほぼ前年並みで推移。(揚げ物(米菓)カテゴリーの約16%の金額は歌舞伎揚が構成)一方で、歌舞伎揚の金額は前年プラス基調で推移し、特に2023年10月以降は金額前年比2桁アップで好調が続いている。

平均価格では、揚げ物(米菓)カテゴリーは2023年9月頃から平均価格の上昇が目立っているが、歌舞伎揚は大きな値上げの動きは見られない。インバウンド需要に加えて、カテゴリー全体の価格が上がる中で、大きな値上げがない(容量変更もない)事も歌舞伎揚好調の要因のひとつと考えられる。

▲KSP-POS 食品SM(全国、2023年4月~2024年3月)

歌舞伎揚の売上を数量/店(回転)と販売店率(面)に分解して確認すると、両方とも前年プラス基調で推移している事がわかる。エリアまで掘り下げてみると、数量/店(回転)では、もともと売上が大きい関東エリアで前年アップしている。また、販売店率(面)では、他エリアよりも販売店率が比較的に低めの近畿で、扱いが前年よりも大きく増えている。

▲KSP-POS 食品SM(全国&エリア別、2023年4月~2024年3月)

*KSP-POSの平均価格、金額は全て税抜です。

<調査概要>

POSデータ:KSP-POS 月次データ
期間:月次2023年3月~2024年3月
地域/店舗数:全国&エリア別 食品スーパー923店舗

参考
ネスレ日本ホームページ https://nestle.jp/
江崎グリコホームページ https://www.glico.com/jp/
天乃屋ホームページ https://www.e-amanoya.co.jp/

*KSP-POSは全国約1050店舗の食品スーパーから収集した販売情報データベースです。

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