【韓流・韓国旅行】チャン・ギヨン除隊後復帰作Netflix『ヒーローではないけれど』、ヒロイン命名の由来となったカレイのよもぎ汁とは?

『ヒーローではないけれど』ヒロインのト・ダヘ命名の由来となったカレイ(トダリ)のよもぎ汁

昨年2月に兵役を除隊したチャン・ギヨンのドラマ復帰作として話題のNetflix配信ドラマ『ヒーローではないけれど』。

超能力一家と、その家族から大金を巻き上げようとする詐欺師たちが繰り広げるファンタジーロマンスだ。(以下、一部ネタバレを含みます)

■チャン・ギヨン除隊後復帰作『ヒーローではないけれど』ストーリー

スポーツジムを経営するポク家は、特殊能力があるものの、現代病によりその能力を失った人間の集まりだ。

長男のポク・ギジュ(チャン・ギヨン)は、幸せだった過去に戻ることができるという能力をもつが、ある衝撃的なできごとによりうつ病を患いその能力を失ってしまった。

母親のマヌム(コ・ドゥシム)は予知夢を見る能力で、宝くじの当選番号や株式を把握し、ポム家の財を築いてきた。だが、不眠症にかかり、その能力を生かすことができずにいる。

長女のドンヒ(キム・スヒョン/女優)は空を飛べる能力があるが、過食による肥満のため、もはや飛ぶことができない。ギジュの娘で中学生のイナ(パク・ソイ)には、ある特殊能力が芽生え始めていたが、家族は誰もその能力に気づいていない。

一方、唯一の家族だった父を突然亡くしたト・ダへ(チョン・ウヒ)は、父の借金返済のため、サウナを営む育ての母たちと組み結婚詐欺師となる。「あなたは、私の命の恩人に似ている」という口説き文句が得意技だ。

エステサロンでダへのマッサージにより、久しぶりに熟睡することができたマヌムは、ダヘこそがポク一家の救世主だと信じ、なんとかギジュとダヘを結婚させようと画策する。こうして、ダへはポク家に住むことになる。

■『ヒーローではないけれど』ヒロイン、ト・ダヘ命名の由来となった慶尚道の春の味覚

本作の第4話で詐欺師であるト・ダへの育ての母が、ギジュにダへの名前の由来を説明するシーンがあるが、この話が大変おもしろい。

ダへの父親がカレイ(韓国語で「トダリ」)のよもぎ汁が好きだったので、春に生まれた娘に、春が旬のカレイにちなみ「ト・ダリ」と名付けようとした。

しかし、役所の人に止められたため、最後の1文字を変えて「したいことを『全部する(韓国語で「ダヘ」)』」の意味がある「ト・ダヘ」と名付けたという話だ。

カレイのよもぎ汁(韓国語で「トダリスックク」)は、米のとぎ汁に味噌を溶かしたスープでカレイを煮込み、仕上げによもぎを加える料理で、韓国南東部に位置する慶尚南道の沿岸地方や釜山の郷土料理だ。

慶尚南道・統営中央市場で食べたカレイのよもぎ汁の美味しさが忘れられない

慶尚南道の港町・統営(トンヨン)で食べたカレイのよもぎ汁のおいしさが忘れられない。

固城半島の先端に位置する統営は、220あまりの島が点在する美しい海に囲まれ港町だ。韓国の壁画村のパイオニアであるトンピラン村から見下ろす内海は、その美しさから「東洋のナポリ」と呼ばれている。

トンピラン村ではソン・ジュンギ主演『優しい男』の撮影が行われた。

壁画は2年に1回すべて描き替えられるそうなので、当時の絵を見ることはできないが、ここからの眺望を楽しむためにぜひ訪問してほしい。

また、『愛と、利と』では、統営出身のアン・スヨン(ムン・ガヨン)がハ・サンス(ユ・ヨンソク)とともに、青い海と美しい島々を一望できるケーブルカーに乗るシーンが登場するなど、統営は韓国ドラマのロケ地巡りとしても楽しめる。

「東洋のナポリ」と呼ばれる港町・統営の内海(統営港)

その統営で春に楽しみたいのがカレイのよもぎ汁だ。

ふんわりと柔らかいカレイの身は、口の中でとろけるほどふんわりと柔らかく、上品な脂のうまみが口いっぱいに広がる。そしてメンソール系のさわやかなよもぎの香りが、スーッと鼻に抜ける。

まさに統営の春の訪れを感じられる逸品だ。美しいこのスープを楽しむためだけに統営を訪れてもいいほどだ。

建物や橋のイルミネーションが水面に映る夜景も美しい統営港

●統営へのアクセス

釜山西部バスターミナル(沙上)から統営総合バスターミナルまで約1時間30分

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