コンビニワープとは
赤信号で停車していると、後ろの車が交差点のコンビニに進入してすぐに右折または左折して出ていくといった光景を目にしたことはありませんか?
これが俗にいう「コンビニワープ」です。信号を待たずに右左折する目的で行われ、実際にはコンビニ以外にも交差点にある飲食店やガソリンスタンド、空地などでも行われることがあります。
コンビニワープの違法性とは
結論からいうと、現時点で「コンビニワープを直接規制する法律」はなく、コンビニワープをしたから即座に違法で取り締まりや逮捕、ということにはなりません。道路交通法は「道路」の危険防止や安全に関する法律であり、私有地であるコンビニ駐車場などでは適用されないためです。
コンビニワープをしている車は急いでいるためか駐車場内でもスピードを出して走行するケースが多く、非常に危険です。実際、2020年には大分県宇佐市の飲食店の駐車場で、当時3歳の女の子がコンビニワープによる軽トラックにはねられて死亡する事故が発生しています。
即座に違法性がないからといって、安易にして良い行為ではないことは理解しておくべきです。また、コンビニワープ自体が違法でなくても、ショートカットをした際の運転行為については取り締まりを受ける可能性があります。
コンビニワープで取り締まりを受けるケースもある
コンビニワープ自体が違法ではないとしても、次のような点で違法になることは考えられます。
一時不停止
道路交通法第17条では、「車両は、歩道等に入る直前で一時停止し、かつ、歩行者の通行を妨げないようにしなければならない」と定められています。
よって、コンビニの駐車場に出入りするために歩道を通過する際は一時停止をして歩行者の妨げにならないようにしなければいけません。一時停止をしなかった場合、普通車なら違反点数2点の加算と7000円の反則金が科される可能性があります。
建造物侵入罪
コンビニの駐車場はコンビニを運営する会社やオーナーの私有地であり、勝手に進入することは許されません。
コンビニの店舗を利用することなく、ショートカットのためだけに駐車場に出入りすることは店側の意思に反する行為です。「利用客以外の立ち入り禁止」といった看板などがある場合、管理者の意思に反した行為として刑法の建造物侵入罪に問われる可能性もあります。
安全運転義務違反
急いでいるあまり猛スピードでコンビニの駐車場を出入りした場合、安全運転義務違反に問われることがあります。
道路交通法第70条では「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」と定められています。そのため、スピードの出しすぎなど危険運転をすると、取り締まりの対象になる可能性があるのです。
まとめ
高機能な監視カメラやドライブレコーダーの存在により、現在は直接の法規制がないとしてもコンビニワープの瞬間が録画されて後日に「安全運転義務違反」などで取り締まりの対象となる可能性はあります。
また、今後はコンビニワープが規制されることも十分に考えられます。急いでいるからといって安易なショートカットをする危険行為をしないことが大切です。
出典
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー