「温浴スパ&地産そば」絶品のフィールド 「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ」レポ

2024年4月13日(土)にOPENした「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ」エントランスには鹿沼で産出される「深岩石」が使われている(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

2024年4月13日(土)にOPENした「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ」は関東初となるSnow Peak(以下、スノーピーク)直営のキャンプフィールド。地方創生事業の一環として白河高原、陸前高田、都城とあわせ「Snow Peak LIFE EXPO 2022」で発表された、直営フィールド事業の4か所のうちのひとつです。

鹿沼市は本州で収穫されるほとんどの農作物が栽培可能という、豊かな土地と自然が魅力。園芸ファンの間では「鹿沼土」は用土としてメジャーな銘柄です。また首都圏から見ると日光のすぐ手前に位置していることから、町には江戸文化を今に伝えるスポットが多く残ります。

都心から約100㎞とアクセスも良く、温浴スパもある「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ」を拠点にすれば、観光やアウトドアアクティビティを組み合わせた様々な楽しみ方ができます。初心者はもちろん、こなれたキャンパーも時には身軽に「手ぶらCAMPプラン」など活用して、空いた時間にあちこち見て回るのもたまにはいいんじゃないでしょうか?

さっそく現地でのキャンプ体験と、周辺のおすすめスポットを紹介します。

■全91区画、里山の風景を見渡せる丘陵地にOPEN「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ」

整備の行き届いたフィールドで、体験レベルの初心者から1年に何泊もこなす上級者まで、満足度の高いキャンプができるスノーピークの直営キャンプフィールド。「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ」には、フリーサイト67区画、電源付き区画サイトが15区画、林間サイトが5区画、そして隈研吾氏との共同開発のモバイルハウス「住箱-JYUBAKO-」が4棟の、全91区画が設置されています。

立地が谷あいの丘陵地ということもあり、キャンプフィールド内のほとんどの場所から麓の里山風景が見渡せます。風の通りが良く、眺めているだけでゆったりした時間が流れる、そんなロケーションです。

直営キャンプフィールド開発の経緯は栃木県鹿沼市から「水源地域振興拠点施設」の指定管理予定者として、スノーピークが選定されたことに始まります。目の前の南摩川(なんまがわ)や思川(おもいがわ)、山を隔てた先には清流で有名な大芦川(おおあしがわ)が流れます。川の水源となる山々によって、ひだのような地形がつくられているのがこの辺りの景観の特長で、時間帯によって日の当たり方や影の伸び具合が変わり、テントサイトの雰囲気や景色の違いが楽しめるのもまた魅力。

キャンプ2日目の朝は快晴でした。対岸にある竜蓋山(りゅうがいさん)のたもとから太陽が顔を出すと、フィールド全体にぶわーっと光が差し込む様子が幻想的で…… 柄にもなく30分ほど、朝の散歩をしてしまいました!

■新潟本社「スノーピーク Headquarters キャンプフィールド」に次ぐ温浴施設と、地元ファン待望「上南摩そば 竜がい」が初出店。日光や宇都宮にも店舗を展開する「日光珈琲」も!

「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ」でハズせないのが本社がある「スノーピーク Headquarters キャンプフィールド」に次いで併設された温浴施設。美肌効果を持つ弱アルカリ性の「上南摩温泉」を使用し、大人10名は入れそうな広々とした内湯と露天、サウナルームを完備しています。開放感のあるウッドデッキのチェアリングで体を冷やしながら、行ったり来たりの湯浴みが堪能できます。足もとは温泉成分のぬめりで滑りやすくなっているので、十分に注意しましょう。

イベントに出店すれば行列ができ、地元ではかねてより評判を呼んでいたという「上南摩そばネットワーク」。はじめてとなる実店舗が「上南摩そば 竜がい」としてOPENしました。細切りでもコシがあり、喉ごしの小気味良さも申し分なし。開店を待つ現地ファンの列ができるのも納得の味、他県からのキャンパーも一度は味わうべきでしょう!

鹿沼市に「Cafe饗茶庵本店」を構え、日光や宇都宮にも店舗を展開するコーヒーの名店「日光珈琲」が「Nikko Coffee Roku」を出店。湧き水で淹れられたコーヒーは旨味と甘味が感じられ、スッとした後味。クラフトバーガーや地域産の食材を使ったメニューをテイクアウトできます。

■江戸情緒を感じる豪華なインテリア「スペーシアX」でのアクセス

東武鉄道の浅草駅からキャンプフィールドの最寄り駅である新鹿沼駅までは、特急だと1時間半かからず到着します。キャンプフィールド入り口にはバス停も新設されたので、駅からバスを乗り継ぎ、公共交通機関だけでキャンプ場までのアクセスが可能に! 徒歩キャンパーや手ぶら派は注目したいポイントです。

「スペーシアX」は浅草から東武日光駅や鬼怒川温泉駅までを結ぶ、東武鉄道ではお馴染みの特急「スペーシア」を正統進化させたフラッグシップ特急。ソファでくつろぎながら展望が楽しめる「コクピットスイート」をはじめ、個室や3列のプレミアムシートなど、6種類のラグジュアリーなシートバリエーションを備えた新型車両です。

乗車した「コクピットラウンジ」は、日本最古のリゾートホテルともいわれる「日光金谷ホテル」をモチーフに設計されたエリア。古来から高貴な色とされる、濃い緋色の絨毯が敷かれた落ち着きのある雰囲気で、クラシカルな内装の“一室”のような車両です。

特徴的な六角形の窓は、伝統工芸・鹿沼組子のもとにもなっている亀甲にちなんだ形。照明には日光東照宮でも見られるグリ紋をあしらうなど、沿線の文化へのリスペクトがデザインに落とし込まれています。

常識を超えた仕様と江戸情緒が溶け込んだ空間。不思議と窓の外を流れる景色も違ったものに映ります。驚いたことに座ったソファーがなんと、固定されていませんでした!

■“遊べるフィールド化”の予定もある「南摩ダム」、イチゴ狩りや伝統工芸も見どころ

キャンプフィールドから約3㎞の距離には、建設中の「南摩ダム」を見学することができます。完成後は水上ジップラインやサイクリングロードが整備される計画もあるとのことで、場内のレンタサイクルを利用して、アクティビティを楽しみに訪れるのがよさそうです。展望スポットからは巨大ダムのレアな姿が見られ、マニアでなくてもテンションが上がります!

「いちご市」としても売り出し中の鹿沼市。キャンプ前後にイチゴ狩りを楽しむこともできます。出荷されるイチゴは熟すのを逆算して早採りされてしまいますが、農園では完熟した実を食べられるので、めちゃくちゃジューシーです。「出会いの森いちご園」の近くを流れる大芦川沿いは、春は見事な桜並木となり、あたりに咲く菜の花と合わせて堪能できます。

ユネスコ無形文化遺産にも登録されている「鹿沼秋まつり」。今宮神社周辺では200年以上も前に造られたものも多いという、彫刻屋台を見ることができます。日光山に詰める彫刻師が、この地域で冬場を過ごしたため、とも伝わる圧巻の手仕事は一見の価値ありです。「木のふるさと伝統工芸館」では組子づくりの体験もできます。

キャンプ利用者でなくても、スパやグルメを目的に楽しみに訪れる地元の方も多い、今後ますます交流のベース地として注目が集まる「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ」。キャンプや手ぶらプランとあわせて、豊かな自然とご当地の魅力を満喫する計画を立ててみては?

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