1991年、インターTECはカルソニックの2連勝もチャンピオンタイトルはリーボックの手中に!【グループAレースクロニクル1985-1993 JTC9年間の軌跡(8)】

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スカイラインGT-R時代の到来

1991シーズンになると、よくも悪くもスカイラインGT-R同士の戦いだ。開幕戦は5月19日の「SUGOグループA300km選手権レース」で4台のGT-Rがエントリー。ポールポジションはカルソニックスカイライン(星野一義/鈴木利男)。僅差でリーボックスカイライン(長谷見昌弘/A.オロフソン)が着け、予選4位までGT-Rが占めた。決勝では一日の長があるカルソニック、リーボックが1位、2位。タイサン、AXIAの2台のGT-Rはリタイアだった。

90年のインターTECを制したカルソニックスカイラインが2連覇。シリーズはリーボックに譲ることになる。

第2戦は7月1日の「鈴鹿スーパーツーリングカー500kmレース」。予選はカルソニックスカイライン(星野/鈴木)がポールポジション、セカンドローがリーボックスカイライン(長谷見/オロフソン)。500kmの長丁場だったが、61周目にカルソニックスカイラインがサスペンショントラブルでリタイアし、リーボックスカイラインが優勝となった。2位はタイサン・KLEPPER GTR(高橋健二/土屋圭市)、3位にAXIAスカイライン(清水和夫/影山正彦)が入る。

インターTECで2位に入ったAXIAスカイライン。タイサン・クリッパーGTRとともにシリーズを盛り上げた。

第3戦の「91レース・ド・ニッポン」は筑波サーキットで8月18日に開催された。すでにフォードシエラの参戦は1台のみ。ポールポジションはカルソニック(星野/鈴木)、2番手はリーボック(長谷見/オロフソン)といつもの態勢。決勝ではGT-R同士の激しい戦いとなり、リーボックが逆転優勝。2位にタイサンKLEPPER GTR(高橋/土屋)、3位にカルソニックという結果。4位もAXIA・スカイライン(清水/影山)で4位までGT-Rが占める結果となった。

リーボック3勝、カルソニック2勝でインターTECを迎えるが・・・

第4戦の「ハイランドグループA300km選手権レース」は9月1日に開催。GT-Rはさらに5台に増える。予選ではカルソニック(星野/鈴木)がポール、リーボックが2番手。決勝はこの2台のつば競り合いとなったが、カルソニックが逃げ切り。リーボックとカルソニックが2勝ずつで並ぶ。3位にタイサンKLEPPER GTR(高橋/土屋)、4位にザウルスチャンプGTRニスモ(山田英二/沖友龍晴)という結果となった。

タイサンCLIPPER GTR(高橋/土屋)は、2戦、3戦で2位、インターTECで3位に入賞。カルソニック、リーボックに次ぐ、第3のGT-Rになった。

10月13日の第5戦は「全日本ツーリングカー選手権シリーズin AUTOPOLIS」でオートポリスでの初開催だった。ポールポジションがカルソニック(星野/鈴木)、2番手がリーボック(長谷見/オロフソン)だが、3位にFETフォードシエラRS500(見崎清志/長坂尚樹)が入り意地を見せる。決勝ではやはりGT-Rが強く、リーボックが優勝、カルソニックが2位、3位にAXIA(清水/影山)という結果となった。

第4戦、仙台ハイランドで優勝したオートテックM3(ラッツェンバーガー/ダニエルソン)。この年はシーズン3勝、インターTECでは2位だったが前戦3位以内に入る安定した速さを見せた。

その年、7年目を迎えた「インターTEC」は11月10日に開催される。GT-Rは6台の参加でフォードシエラが1台。ディビジョン2はBMW M3のみ、ディビジョン3はジェミニが1台いるものの、他はカローラ(AE92/101)とホンダシビックが中心と車種の限定化が進んだ。ポールポジションはカルソニック(星野/鈴木)、2番手はリーボック(長谷見/オロフソン)というシリーズ争いをする2台だ。

インターTECでは、M3勢を抑えて総合9位、クラス3連勝となった出光MOTIONシビック(中子/岡田)。これも91年の主役の一台だった。

決勝でもGT-R同士の激戦となるが、カルソニックが地力の強さを見せインターTEC2連勝となった。2位には予選3位につけていたAXIAスカイライン(清水/影山)、3位にタイサンKLEPPER GT-R(高橋/土屋)で6位までGT-Rが独占した。勝ち星でカルソニックに並ばれたリーボックは4位止まりだったが、ポイント差でチャンピオンタイトルを手中にした。

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