内モンゴル自治区で1億6500万年前のトンボ化石を発見

内モンゴル自治区で1億6500万年前のトンボ化石を発見

寧城契丹優美蜓の化石。(資料写真、フフホト=新華社配信/単徳志)

 【新華社フフホト5月22日】中国内モンゴル自治区赤峰市寧城県で、1億6500万年前の中期ジュラ紀の絶滅種のトンボ、Euthemistidaeのこれまでで最も状態の良い化石が見つかり、「寧城契丹優美蜓」(Kidaneuthemis ningchengensis)と命名された。トンボの自然史的進化を研究する上で新たな根拠となる。

 首都師範大学、広州大学の研究者チームと寧城国家地質公園管理局が寧城県道虎溝の中期ジュラ紀燕遼生物群で発見した。同管理局の商景安(しょう・けいあん)局長によると、公園職員が古生物化石の巡回保護調査で露出したトンボの化石を発見。直ちに専門家を組織して実地検証し、保護措置を講じた。

内モンゴル自治区で1億6500万年前のトンボ化石を発見

内モンゴル自治区赤峰市寧城県の道虎溝化石保護遺跡園区。(資料写真、フフホト=新華社配信/単徳志)

 首都師範大学生命科学学院の任東(じん・とう)教授は「今回の発見はEuthemistidaeの研究を比較的完全に補完した」と説明。化石には羽と胴体、生殖器があり、中でも生殖器があったことで雌の個体と判別できたと語った。

 専門家のこれまでの道虎溝地区の研究を踏まえると、寧城契丹優美蜓は温暖湿潤の渓流や湖の付近に生息していたと推測される。任氏は、今回の発見はEuthemistidaeの特徴の一部を補完し、世界の昆虫学界が同科のトンボを深く理解する上でより包括的な形態学的根拠をもたらしたと語った。(記者/任彦逸、恩浩)

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