みちのく有料道(青森県)、2023年度は過去最多208万台利用 ETC導入、上北道全通効果か

 青森市と七戸町を結ぶみちのく有料道路の2023年度の利用台数が前年度比10%増の208万6057台で、過去最多となった。県は昨年12月にみちのく道で自動料金収受システム(ETC)の運用が始まり利便性が上がったことが一因と分析。22年11月の「上北自動車道」(六戸町-七戸町)の全線開通も、みちのく道の利用増につながったとみている。

 県道路課が21日の県議会建設危機管理常任委員会で説明した。過去最多だった19年度の196万334台を6%上回り、初めて200万台を超えた。

 ETC運用後の今年1月の利用台数は14万1253台で、前年同月より約2割増加。キャッシュレス決済の導入で利便性が向上したほか、ETC搭載車を対象とした通行料金の割り引きで利用者が増えた可能性がある。

 このほか、上北自動車道の全線開通で同自動車道やみちのく道を含む青森、八戸両都市間の交通アクセスが向上したことや、新型コロナウイルス禍での行動制限が緩和されて人の動きが活発化したことも要因とみられるという。

 県道路課によると、昨年12月から今年3月までのETCの利用台数は累計で約40万台で、全利用台数に対する利用率は75%。古市秀徳・県土整備部長は24年度のみちのく道の利用動向について「ETCの利用率が通年でどのように推移するのか、(ETC導入前の)混雑の状況は解消されたのかなどを分析する必要がある」と述べた。

 みちのく道の利用者は近年、上北自動車道の整備が進んだことなどにより増加傾向にあったが、コロナ禍の移動自粛を受け、20年度は159万4044台、21年度は165万8565台に落ち込んでいた。

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