来栖りん「『VALORANT』は唯一自分をさらけ出せる場所」ゲーム遍歴と『ヴァロ』沼を辿る1万字超インタビュー

「『衣食住ゲーム』。『ゲームをやりたい』と思うのは私の中では生理現象なんです」

生活の一部になっているほどゲームの沼にハマっているのは、声優アーティストの来栖りんさん。

『どうぶつの森』『ポケットモンスター』にはじまり『ELDEN RING』など、ジャンル問わず様々なタイトルをプレイしてきました。

そして最近は、友達が作成したゲーミングPCでFPS(1人称視点のシューティング)ゲームにハマっているそう。中でも、かなり深い沼にハマっているのが友達に誘われて始めたというFPSゲーム『VALORANT』

仕事がある日でも「必ず2戦はプレイする」ほどのハマりっぷり。敵を倒した時の爽快感と厨二心くすぐる豊富な武器スキンが沼にハマる理由とのこと。今回は、来栖さんのゲーム遍歴を辿りつつ、“『VALORANT』沼”をたっぷりと語っていただきます。

また、「等身大の自分を表現した」と語るTVアニメ『転生したらスライムだった件 第3期』エンディング主題歌を含めた2ndシングル「Believer」のレコーディング秘話。「私が好きなことにファンの皆さんがどんどん沼っていくのが楽しい」と語る2023年にソロアーティスト・声優としてデビューして早1年が経った来栖さんのファンの皆さんへの思い――。

ゲーム沼にハマる声優アーティスト・来栖りんに迫った1万字超えのインタビューをお届けします。

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『どうぶつの森』『ポケモン』『ELDEN RING』…来栖りんのゲーム遍歴

――プロフィールにも「趣味:ゲーム」と記載しているように、大のゲーム好きだとお伺いしました。ゲームを好きになったきっかけを覚えていますか?

来栖りん(以下、来栖):
小学生になる前から皆さんが知っているような一般的な家庭用ゲームはやっていたのですが、明確に「ゲームっておもしろい!」と思ったのは『どうぶつの森』。小さい頃によく遊びに行っていたいとこが貸してくれたのがきっかけでした。

そのあと、初めて自分で買ったゲーム機はニンテンドーDSi。小学校に上がったころに『ポケットモンスター(以下、ポケモン)』を始めました。

1番長い付き合いの幼馴染と誕生日が8日違いなのですが、ある年の誕生日プレゼントでお互いに『ブラック・ホワイト』を色違いで買ってもらって。「一緒にやろうね」と話していたので、その子の誕生日が来るまではプレイせずにずーっと待っていました(笑)。

――先にプレイし始めないところが可愛らしい(笑)。そこから『ポケモン』にもハマったのでしょうか?

来栖:
ハマりました。小さい頃は、『ポケモン』のストーリーがとても好きだったんです。“どうしたらバトルで勝てるか”よりも、“好きなポケモンでストーリーを進める”という楽しみ方をしていました。

年齢を重ねる中で、『ポケモン』の知識を得ていくにつれて、自分の希望のポケモンを手に入れたり、ポケモン一体一体に与えられている能力を気にしたりするようになりました。小学校時代の上級生がすごく強いポケモンを持っていたので、“ポケモン交換”をしてもらうことも。

もう少し年齢が上がってからは、徐々にバトルを楽しむようになりました。

――幼少期は『どうぶつの森』『ポケモン』と王道のゲームにハマっていますが、年齢を重ねていくにつれて変化はありましたか?

来栖:
2年前(2022年)くらいに『ELDEN RING』というゲームにドハマりしました。ファミリーゲーム以外で初めて「本格的なゲーム、めっちゃ楽しい!」「もっといろんなゲームをやりたい」と思いました。

それで当時、PlayStation 4で『ELDEN RING』をプレイしていた中、PlayStation 5を買うか悩んでいたんですね。だけど、よくよく考えてみると「プレステで遊べるゲームは大体パソコンで遊べるな……」と気づいて。PS5を買うのはやめて、ゲーム用のPCを友達に頼んで作ってもらいました。ジャンルに捉われず「できるだけ全ジャンル踏んでおこう」とゲームをしています。

ゲームで再会した同級生をきっかけに『VALORANT』沼へ「FPSをやらずにゲーム好きは語れない!」

――では、ゲーミングPCで遊び始めたのはここ最近なんですね。

来栖:
はい。ここ1〜2年のことです。ゲーミングPCを手に入れてから、最初は友達とボイスチャットを繋げて『Among Us』をプレイしていました。そのあと、『VALORANT(以下、ヴァロ)』にドハマりしてしまい、今に至ります(笑)。

――『ヴァロ』はFPSゲームですが、ここまで挙げてきたタイトルの中にFPSはなかったですよね。過去にFPSをプレイした経験もあったということでしょうか?

来栖:
“一応”あります。初めてプレイしたFPSはPlayStation Vitaの『KILLZONE:Mercenary(以下、キルゾーン)』です。だけど、難しすぎて何が何だかわからず、1週間くらいしかやっていません(笑)。

なので、流行っていた『Call of Duty(以下、CoD)』『APEX-LEGENDS-(以下、エペ)』などのFPSゲームも全く通ってきませんでした。

――そんな中で『ヴァロ』をプレイしようと思ったのにはどんなきっかけがあったのでしょう。

来栖:
親から「小学校時代の同級生の女の子がゲーミングPCを持っているらしいよ」と聞いたので、共通の友達を通じて「ゲーミングPC持っているらしいね! 一緒に遊びませんか?」と誘ったんですよ。そこから一緒にゲームで遊ぶようになって。その子に「『ヴァロ』やろう!」と誘われたのがきっかけです。

――情報量が多い……! 「小学校時代の同級生」ということは、卒業してほとんど接点がなかったわけですよね。来栖さんから急に「ゲームやろう!」と誘われて驚かれたのでは?

来栖:
驚いていたと思います(笑)。ただ、私含めてゲーム好きならではだと思うのですが、「ゲーム好きは仲間!」みたいな共通認識が自然と備わっていて。ゲーム好きとはすぐに仲良くなれるんですよね。なので、友達でゲームをやっていない人は1人もいないです!

私は仕事だと大丈夫なのですが、普段は会話がすごく苦手で……1対1の食事とか「何を話したらいいの(泣)」となってしまうんです。1対1だと会話が“ターン制”になるじゃないですか。「相手がご飯を食べている時は喋れないから、私が喋らなければ……」となっても、何を話していいか分からず、会話に困ることがたくさんありました。

だけど、ゲーム仲間ならゲームの話が一生できるんですよ。プレイングのこと、デバイスのこと、フレンドのこと……いくらでも派生して話せます。何より自分の好きなことって聞かれなくても喋れるから、一瞬で仲良くなれてしまう。

「暇だから秋葉原に行こう」とソフマップに足を運んで「このデバイス欲しい!」と会話したり。「ゲームをやっていない人とは仲良くなれない……」と思っているくらいです(笑)。

――共通の趣味があれば、いくらでも会話を続けることができますもんね。そうしてできたゲーム友達から『VALORANT』に誘われたとのことですが、ほぼやったことがないFPSゲームにすぐ足を踏み入れられたのでしょうか。

来栖:
『キルゾーン』でFPSに少し苦手意識があったので、最初は「FPSきた……」と思いました。だけど、ほとんどやったことがないゲームジャンルがFPSだけだったこともあり、「FPSをやらずしてゲーム好きは語れん!」と(笑)。

『ヴァロ』はPCでしかプレイできないですし、「このタイミングでやらなきゃゲーミングPCを買った意味がなくなっちゃうな」「せっかくデバイスにもこだわったし、やったほうがいいだろうな」と、『ヴァロ』を始めました。

――『VALORANT』は、FPSの中でもかなり難しいタイトルですよね。FPSに苦手意識がある中で挑戦してみようと思うのがすごい……!

来栖:
たしかに、『ヴァロ』は難しいタイトルだと思います。なので最初は、画面酔いが激しいから、操作に慣れなくて何にもできず……ハイセンシ(※)で始めてしまったものだから、視界がぐるんぐるんしてしまって。1戦でグロッキーになっちゃう感じだったんです。とても悔しい思いをしました。

1日10分ずつプレイ時間を増やして、少しずつならしていきました。ハイセンシをやめて、ローセンシにしたこともありますが、今では朝から夜までずっとプレイできるまでに成長しましたよ(笑)。苦手だったFPSも見事に沼ってしまいました。

(※)ハイセンシ…視点を180度振り向くのに必要なマウス操作距離が15cm以下の感度設定。一方、20cm以上の感度設定は「ローセンシ」。

――新しいタイトルのゲームも続々とリリースされると思うのですが、今は『ヴァロ』以外のゲームはプレイしないということなんですか?

来栖:
そんなことはありません! 『ヴァロ』は毎日プレイしていますが、ほかのゲームもプレイしていますよ。

私だけかもしれないのですが、『ヴァロ』ってずっとプレイしていると頭が疲れてくるんです。1戦1時間弱くらいなので、何回戦もプレイすると集中力が持続しなくて。それで負け試合になるくらいならプレイしない方がいいと思うタイプなんです。

だから、「今日はお仕事が休みだから1日ゲームするぞ!」という時は『ヴァロ』で2戦やったら、アクションゲームの『モンハン(モンスターハンター)』『Party Animals』、絵と文字を交互に伝えていく伝言ゲーム『Gartic Phone』など、あまり頭を使わないゲームをゲーム友達とプレイしています。

敵を倒した時の爽快感と厨二心くすぐる豊富な武器スキンが『VALORANT』沼

――いろいろプレイされている中でも、来栖さんが毎日プレイしているという『VALORANT』について詳しくお伺いしていきたいなと。『VALORANT』にそこまで沼っている理由とは?

来栖:
『ヴァロ』は気持ちがいいんですよ。

――気持ちがいい……?

来栖:
『ヴァロ』は、「敵の頭に弾が1発当たると勝ち」というシンプルなゲーム性です。ほかのFPSゲームは撃ち合いで大きなダメージを与えた方が勝ちとなることが多いのですが、『ヴァロ』は体に4発撃ち込んでも倒せないけど頭に1発当てれば勝ちなんです。

だからこそ、攻撃に精密さが大切で、「難しい」と言われている理由でもあります。当てたい時に当てたい箇所へ当てる“エイム力”が求められるゲームなんです。どんなに素早く敵に気づいたとしても、相手が先に自分の頭に1発撃ち込んできたら負けてしまう。逆に1発で相手の頭に命中して倒せた時には、ほかのゲームで味わえない爽快感や気持ちよさがあります。

――ゲーム性的に、勝った時の気持ちよさが半端じゃないと。

来栖:
でも、私が1番沼だなと思うのは“武器”です。『ヴァロ』にはキャラクタースキンはないものの、武器スキンがたくさんあって厨二心をくすぐられます。

5対5のチーム戦、13ラウンド先取で勝ちなのですが、勝つと最後に敵を倒してラウンドを終わらせたメンバーの武器アニメーションが流れるんですよ。ドラゴンモチーフの銃だとドラゴンが「ガオーッ!」と出てきてすごくカッコいい。派手な演出があると、“やってやったぜ!”感があってすごく楽しいんです。

カッコいい系の武器スキンだけではなく、かわいい系の武器スキンもあるので、そんな武器スキンに沼っているプレイヤーはたくさんいると思います。

――推し武器もあるんですか?

来栖:
あります! 私の推し武器は「インペリウム ヴァンダル」です。これがドラゴンが出てくるアニメーションの武器なんですよ。距離によって威力が変わらない高い精度のライフルと言われている「ヴァンダル」というシリーズのライフルです。

シーズンごとに毎回スキンのパックが出るので、武器の種類がすごく多いんです。武器スキンを変えても、実際に撃ちやすさに差異はないそうなのですが、プレイヤーのみんなはプラシーボ効果で「これは撃ちやすい!」「このスキンはめっちゃ当たる!」と言っています(笑)。

――プラシーボなんですか(笑)。

来栖:
プラシーボだと思います!(笑)中には、半透明の武器スキンもあるんですね。「透けているから視野が広くて撃ちやすい」と言う友達がいるんですけど、それもプラシーボだと思っています(笑)。

だだ、武器によって射撃音が違うので、音の合う合わないはあります。「高い音は耳障りだけど、低い音は集中できるから好き」という人が多い印象です。

また、武器をフレンドと交換するのがまた楽しいんです。

――フレンド同士で武器の交換ができるんですね。

来栖:
『ヴァロ』にはお金の概念があり、ラウンドが始まると武器やアビリティ(スキル)を購入します。そして、強い武器は金額が高いんですね。とはいえ、せっかく自分が高い武器を買っても、チーム戦なのでほかの人がそれより弱い武器を持っていたら負ける可能性がある。つまり損をしてしまうんですよね。

なのでチームを組んだ際は、最初に安い武器を買ってあえて負ける“エコラウンド”を行います。そして、次のラウンドで高くて強い武器をメンバーみんなで買い揃えて勝ち進んでいくんです。強い武器を買い揃えてもスキンは違うので、「新しく買ったスキンだから使ってみて!」「めっちゃいいじゃんこのスキン!」と交換することがあって。それがすごく楽しい!

最近は、女の子だけのサーバーもあるほど、可愛い系の武器スキンが増えてきたことで“ヴァロ女子”が増えてきたんですね。VTuberやアイドル、私のように声優をしている子など5人集めてプレイすることも多く、かわいい武器スキンにも触れています。

――武器交換することで、自分が普段選ばない武器スキンに触れられるから、どんどん推し武器が増えていきそうですね。また、お話を聞いていると『VALORANT』はかなりチームのバランスが問われるんだなと感じました。

来栖:
かなりチームのバランスが大切です! 自分だけが強くても負けるし、逆に自分がダメダメなプレイしかできなくても味方のカバーが良ければ勝ててしまう。調子が悪い時に前線に出て戦うキャラクターを使ってしまうと「私のせいだ……」と気分が落ちるから役割分担も大事なんですよ。

また、フィジカルも大事ですが、『ヴァロ』は戦略がかなり重要なゲームでもあります。座学(動画研究・情報収集)をしていないと結構きついと思います。

キャラクターによってアビリティが変わるのですが、索敵のスキルを使えるキャラクターの人がフィールド内の敵数を調べて「左の方に行くと敵が3人いるから、敵が2人しかしない右に3人で攻めに行こう」と戦略を練って指示だしできないと負けちゃうとか。5人中1人は座学をしている人がいないとほとんど勝てないゲームかもしれません。

特にこだわっているのはキーボード「感知が速い“Wooting”を使っています」

――FPSゲームって速度や瞬発力が重要なのでデバイスのスペックも重要というイメージがあります。

来栖:
画面は大事だと思います。FPSは1秒間に新しい画像を描画する“リフレッシュレート”が重要なんです。画面がぬるぬる動いてくれないと敵が見えない瞬間ができて負けてしまうことがあるから。

デバイスを買い揃える上で、ディスプレイのリフレッシュレートが165Hzあればいいかなと思っています。人によっては「440Hzがいい」「220Hzがいい」と言いますけど、私的には160Hzくらいあれば大丈夫だと思います。

――ディスプレイ以外に、来栖さんご自身がデバイスでこだわっていることはありますか?

来栖:
こだわっているのは、ライティングを含めた見た目ですかね……。私のゲーミングPCはスペックがそんなに高くなくて、なんならCPUが「Core i5」なんですよ。一番新しいCPUが「Core i9」とかなので、そろそろ買い換えないとヤバいなと思っています(笑)。

ただ、キーボードには少しこだわりがあります。「Wooting」というゲーミングキーボードメーカーのものを使っていて。キーボードって押し込んだ時に一定のラインまで到達すると信号が出て、信号をPCが感知して画面が動くという仕組みですよね。その信号が「キーが押し込まれた瞬間に入力、キーが戻りはじめた瞬間に入力解除」とものすごく速く感知する“ラピッドトリガー機能”に対応しているキーボードなんです。

あまりにも感知が速いので、タイピングは誤字だらけになってしまうのですが(笑)。「『ヴァロ』をプレイするならWootingが強い!」と言われているので使っています。

Wootingを含めた来栖さん愛用のガジェットと「VALORANT Champions Tour Masters Tokyo」のキャップ

――ゲームによって相性のいいキーボードがあるんですね。

来栖:
キーボードによって反応速度が変わるんですよね。『エペ』をはじめとしたFPSは走りながら射撃することが多いのですが、『ヴァロ』は歩きながら射撃すると弾が変な方向にいって当たらないんですよ。武器によっては体に命中するかもしれませんが、頭には当てられないので、止まって撃たないといけません。

とはいえ、棒立ちしていたら敵に撃たれて負けてしまうので、「撃つ時に止まってすぐ動く」を素早く繰り返す必要があります。だから、反応の速いWootingのキーボードが強いんです。上のランク帯に行けば行くほど「撃つ時に止まる」作業=”ストッピング”ができないとぼろ負けすると言われています。

――そういったデバイスの知識や情報はどこから仕入れてくるんですか?

来栖:
ほとんどフレンドからですね。いくつかのサーバーに入っているのですが、そのサーバーのDiscordのチャンネルで、「これが発売するらしいよ」と情報交換をしています。

お仕事の時間以外はずっとサーバーのフレンドたちと『ヴァロ』に関する何かをしていると思います。例えば、通勤時間には、フレンドの誰かのプレイ動画を見ながら、チャンネルに聞き専で入ってコメントし合うとか。寝れない時、何ならクリスマスなど世間がイベントで盛り上がっているタイミングでも常に誰かしらチャンネルにいてずっと話しているから心細くないんです(笑)。

――どんな時でも好きなことを共有し合える場所があるのはいいですね! また、いくつものサーバーに入っているということは、その時々で一緒にプレイするフレンドも変わるということでしょうか?

来栖:
プレイヤーの中にはエンジョイ勢とガチ勢がいるので、その時の気分でサーバーを変えて遊んでいます。

ゆるくやりたい時は負けても大爆笑できるような仲の良いエンジョイ勢の子たちとふざけながらプレイしますし、ランクが下がりすぎてやばい時は本気でやるガチ勢の子たちに声をかけて真剣にプレイします。

ガチ勢の場合はウォーミングアップをしないでプレイを始めると怒られたり、真剣にやりすぎて険悪な雰囲気になったりすることもありますが、それはそれで仲が良い証拠だと思っています。

「衣食住ゲーム」ゲームをやりたいと思う気持ちは生理現象

――来栖さんご自身、お仕事以外の時間はどのくらいゲームをしているんですか?

来栖:
お休みの日はずっとですね(笑)。お休みの日はなるべく早起きしたくないので、お昼過ぎから始めることが多いです。フレンドの人たちには「お昼くらいに起きたら入るね」と言っていて、みんなも休みの日は大体12時から14時くらいに起きてくることが多いので、そこからご飯とお手洗い以外はゲームをしています(笑)。

『ヴァロ』を2戦やったらお菓子を食べてフレンドとおしゃべりして、もう1戦プレイしたら息抜きに別のゲームをプレイするとか。

――すごい。お休みの日は、丸1日ゲームに関わることをしているんですね。

来栖:
ただ、私はゲームをしていない方だと思います。フレンドの中には寝ないで丸2日ゲームをしている子もいますし……。私はお仕事がきつくなるから、お仕事の日は「『ヴァロ』を2戦したら終わり!」と決めているのですが、不定期なお仕事をしている子や週2日のお休みがある子とかは、私以上にずっとゲームをしています(笑)。

私自身お仕事がある日でも、ゲームそのものをプレイするわけではないのですが、移動時間にフレンドの誰かがプレイしていたらDiscordチャンネルへ入っています。また、遠征をしている時以外は、「どんなに忙しくても1日1戦はしなきゃ!」とプレイしています。

――ゲーミングPCは持ち運びができないから、移動時間や遠征時にプレイできないですもんね。

来栖:
そうなんですよ! 「Switchは持ち運べて便利だな」と思いますね。遠征でしばらくプレイできないこともあって、遠征から帰宅後にプレイしてみるとすごく弱くなってしまうので……。

『ヴァロ』には勝てば獲得できるランクポイントがあり、それが100ポイント貯まるとランクが昇格する仕組みなんですね。逆に負けるとランクポイントを失って降格してしまいます。

以前、お仕事が忙しくて1ヵ月くらいプレイできない期間があって……久々にプレイしてみたら一気に6段階ランクも降格したことがあったんです。そこで、「毎日やらないと腕が鈍ってダメだ!」と気付きました。

――そんなに一気に落ちることがあるんですか?

来栖:
1ラウンドの中でどれだけ活躍したかによって獲得できるポイントが変わります。自分のチームが勝っていても、活躍しないと9ポイントくらいしかもらえないから、なかなかランクが上がらなくて。自分のせいで負けると一気に30ポイントを失うことも。

その時は、腕が鈍っている中で何ラウンドかプレイし続けた結果、ポイントを獲得できなかったり、ポイントを失ったりして降格してしまいました……。

――そこまで本気でプレイしていると「いずれは大会に出たい!」と思うことはないのでしょうか。

来栖:
大勢に見られている中でプレイするのは緊張するので……。もし最後の1人になったら空気に飲まれて負けてしまうだろうし、無理だと思います!(笑) 内輪で楽しむ方が好きです。

ただ、今でも仲良くなったフレンドたちと大会を観に行くことはありますよ! 今日持ってきた帽子も『ヴァロ』の大会グッズなんです。「みんなで応援しに行こうぜ!」とチケットを買って、みんなで帽子を被って応援しています。大会にはコスプレイヤーさんがいますし、点が入ると「わー!」と盛り上がるんですよ。会場全体が『ヴァロ』好きで溢れているのですごく楽しいです。

テーブルに置いているのが「VALORANT Champions Tour Masters Tokyo」(国際大会)のグッズであるキャップ

――本当にゲームがお好きだということが分かったのですが、ゲームをお仕事にすることもできますよね。「声優として活動をしながらゲームにも仕事で関わりたい」と思うことはないのでしょうか。

来栖:
こういう風にひたすらゲームについて語るのはすごく楽しいのですが、基本的にはゲームを仕事にしたいとはあまり思わないかもしれません。

私、絵を描くことが好きで、以前イラストのお仕事をいただいたことがあったのですが、「好きなことを仕事にするのってあまり向いていないかも」と思ってしまったんですよ。私の中では好きなこと=休憩の場所なので、義務にならないくらいの距離感でゲームに関わっていたいなと思っています。

――では、来栖さんにとってゲームはどんな存在ですか?

来栖:
「衣食住ゲーム」……というか、ゲームと食は同じかもしれません(笑)。「ゲームをやりたい」と思うのは私の中では生理現象なんですよ。

どれだけ大切な人やモノがあったとしても、ゲームに勝てるのは家族くらい。家族を人質に取られて「ゲームをやめろ!」と言われたらやめますけど、それ以外の理由では絶対にやめられないくらい、私の生活に欠かせない存在です(笑)。

シングル「Believer」は三者三様「皆さんの情緒がグワングワンになればいいな」

――ゲーム沼についてたっぷりお話を伺ったところで、そろそろ新曲のお話もお聞きしたいなと。2ndシングルの表題曲である「Believer」の推しポイントから教えてください。

来栖:
あまり比喩表現がなくまっすぐな歌詞が推しポイントですね。歌詞の中にはマイナスなワードも入っているので、サウンドの音数の少なさと相まって物寂しい瞬間があるのですが、最後にはキラッと前を向いていけるような曲です。完成した曲を聴いた時に物語を感じる、波のような1曲だと思いました。

――まっすぐな歌詞にピッタリな、とてもまっすぐな歌声だと感じました。

来栖:
TVアニメ『転生したらスライムだった件 第3期(以下、転スラ)』のエンディング主題歌ということもあり、「主人公・リムルのまっすぐな気持ちを届けなくちゃ」「まっすぐな声で歌詞の思いが届けばいいな」と思いながらレコーディングしました。

音数が少ない曲なので、息の音が聴こえるのは少し恥ずかしいのですが……(笑)。複雑な表現はせずに、声を前に飛ばすような発声を意識したので、歌詞と一緒に歌声にも注目して聴いてほしいです。

――「Believer」のレコーディングはいかがでしたか?

来栖:
複雑なことを考えずに歌えたので、とても楽しかったです! 「Get you ×2」などこれまでの私の楽曲って等身大の自分として歌うというより、「この歌詞に登場する女の子ってこういうイメージ」と想像して歌っていたんですね。

なので、「Believer」はすごくフラットな気持ちで歌うことができたので新鮮でした。ありのままの私が現われている楽曲だと思います。

――一方、カップリングの「SUMMER JOY」はこれまでの来栖さんっぽい表現だと感じました。この楽曲は昨年開催された1st Liveでサプライズ披露して、音源化希望の声が多かったんですよね。

来栖:
アンコールで披露して、すごく評判が良かった曲です。タオルをぶんぶん回しながら盛り上がれる“タオル曲”。ソロアーティストとしてデビューして日が浅いこともあり、ライブ回数が多いわけではないので、ファンの方から「ライブで楽しかったしかわいかったから音源でも聴きたい!」とたくさん言っていただきました。

なので、ポロっと「みんながSNSとかで毎日言ってくれたら、もしかしたら音源化するかもね」と言ったら、ファンの皆さんが何か月間も毎日欠かさず言ってくれて……! それを見たプロデューサーが「わかった、わかった」と(笑)。待望の音源化です!

――「SUMMER JOY」はレコーディングでこだわったことはありますか?

来栖:
<アイドルなのにどうしよう>という歌詞があるように、歌詞も曲もすごく王道で可愛いアイドルソングなんですよね。爽やかで明るくてキラっとしたイメージなので、とにかく明るく弾けている感じが伝わるようにテンションはかなり“アゲめ”で収録しました。

――“アゲめ”なテンションから一転した、最後のセリフ部分<君が好きだ。>の表現がすごく印象的でした。

来栖:
最初はアゲめのテンションのまま「君が好きだっ!」という表現で収録したのですが、プロデューサーに「その表現なに?(笑)」「もっとリアルな感じがいいよ」と言われたんです。プロデューサー的に、キラッとつくり込まれたアイドル像やセリフっぽい言い方がイメージと違ったようで……。

収録ブースにカメラまで持ち込まれるほど、必死に試行錯誤して収録しました(笑)。最終的に、全力で照れている時の<君が好きだ。>になりましたね。結構リアルな感じになったんじゃないかなと思います。完成した音源を聴いたら、素の感じが出ていて、「そういうことか」と思いましたね(笑)。

――プロデューサーさんこだわりの<君が好きだ。>だったわけですね。もう1つのカップリング曲「ヒロイン」は、「SUMMER JOY」とは違う雰囲気の可愛らしさを感じました。

来栖:
プロデューサーに直接聞いていないので自分の勝手なイメージなんですけど、「ヒロイン」の歌詞に出てくる子と自分にすごく共通点が多いなと思っていて。<ホクロ><鼻にかかった><君より全部 小さいけど、>とか、自分に投影してしまう歌詞が多くありました。

おそらく私をモデルに書いてくれたのではないかと思う反面、「みんなの思う来栖りんのイメージ」も歌詞の中に表現されていると感じました。レコーディングでは歌いながら「おお!」となりました。

とはいえ、等身大の自分として歌うというよりは、「Believer」と異なり“皆さんの思い描くヒロインを演じる”感覚で歌っています。

――具体的にどのようなヒロイン像をイメージして歌ったのでしょうか?

来栖:
「ヒロイン」の歌詞って全体的に「どう? 私、可愛いでしょ?」という挑発的な要素を感じたんですね。なので、可愛い声で歌うにしても語尾の感じとかは、“ふわふわ優しい可愛さ”ではなく“小悪魔っぽいおどけた可愛さ”をイメージして歌いました。全力ぶりっ子をイメージして、語尾を絞ったり上げたりしています(笑)。

小悪魔っぽい曲では語尾をきゅっと上げたり、ふわっとした曲では最後に息多めで終わらせたり。そうやって表現を調整しながらレコーディングするのが楽しいなと思いました。

――レコーディングでは、そうやってご自身の考えや表現を取り入れて挑むことが多いんですか?

来栖:
そうですね。デモの段階から楽曲制作に参加しているので、いろいろと考えてある程度イメージを固めてレコーディングに臨んでいます。最初は何も準備せずにレコーディングをしていたのですが、最終的に音がかなり変わってしまうことが多くて。家にパソコンがあるので、今はレコーディング前からイメージを固めるために私がデモから歌っているんです。

とはいえ、「SUMMER JOY」の<君が好きだ。>のようにレコーディングでディレクションを受けることもあるので、その場で表現を変えることもあります。アフレコ現場でも同じですが、「絶対これ!」と準備したものを持って行くと融通が利かなくなってしまうんですね。

だからこそ、いろいろな表現ができるように、自分の中にある引き出しを全部持って行くようにしています。その方がレコーディングもスムーズに進むんです。

――プロデューサーさんを含め、スタッフの方たちと話し合って楽曲を制作されているんですね。

来栖:
共同制作している感覚が強いですね。基本的にプロデューサーから「次はどんな曲歌いたい?」と聞かれるので、「こういう雰囲気で、こういう歌詞を歌ってみたい」と楽曲のイメージを伝えていて。「Believer」に関してはアニメタイアップ曲なので、プロデューサーの意向が中心ですが、私の意見を取り入れてくれることが多いですね。

――それでは、2ndシングル「Believer」を楽しみにしているリスナーの皆さんに伝えたいことはありますか?

来栖:
「Believer」はTVアニメ『転スラ』の世界観を邪魔しない、『転スラ』にピッタリな1曲です。誰もが考えたことのあるような言葉が歌詞に書かれていて、スッと入り込んでくるというか、寄り添ってくれる楽曲になっていると思います。エンディング主題歌として毎回アニメの最後に流れるからこそ、アニメと合わせて楽しんでほしいです。

そして、「SUMMER JOY」は「みんなの大好きな曲、お待たせしました!」ということだけお伝えすれば十分かなと(笑)。「ヒロイン」は歌い方にこだわっているので、みんなにキュンキュンしてもらえたら嬉しいです。

シングルにしては珍しく三者三様の色を持った楽曲なので、この1枚の中で皆さんの情緒がグワングワンになればいいな(笑)。楽しんでいただけたらと思います。

ファンへ沼られることの意識「みんなにとってプラスの場所になりたい」

――2023年にソロアーティスト、そして声優としてデビューを果たした来栖さん。この1年の活動を振り返り、新たな気づきとなったことはありましたか?

来栖:
私が好きなことにファンの皆さんがどんどん沼っていくのが楽しいということ。私は好きなものを布教するのが好きなのですが、ゲームって敷居が高いんですね。私がやっているようなゲーミングPCのゲームってお金もかかりますし……。「ゲームやろうよ!」と家族や友達を誘っても大体やってくれなくて(笑)。

でも、ファンの方たちは「りんちゃんがあんまりにも言うから買いました!」とゲーミングPCを買ってゲームを始めてくれるんです。そういうファンの皆さんと接していると、より「趣味の共有ができるって楽しい!」と気づかされました。

――ファンの皆さんを同じ趣味に沼らせる一方、“来栖りんを沼らせるため”に意識していることはありますか?

来栖:
私、もともと“沼”という言葉にあまりいいイメージがなかったんです。「沼にハマるとつらくなる」とかよく聞いていましたしね。

だけど、このお仕事を始めてから、そのイメージが自分の中で変わっていったんです。ファンの子から「りんちゃん沼なんだけど!」「沼すぎて終わった……」とみんなが楽しそうに言っているのを見て、“沼”っておもしろいワードだなって。

たしかに、私が沼っている『ヴァロ』は“唯一自分をさらけ出せる”、“自分の好きを全力で表現できる場所”なんですよね。『ヴァロ』をやっている時が1番楽しいから、私もそういう沼になれたらいいなと思っています。

「りんちゃんといる時が1番楽しい」「りんちゃんの曲を聴いている時が1番幸せ」と、皆さんにとってプラスの場所になっていたらいいなと思っています。それが意識していることかもしれません。

――それでは最後に、ファンの皆さんにとってプラスの場所になるために来栖さん自身がこだわっていることを教えてください

来栖:
こだわっているというわけではなく自然となのですが……ファンの皆さんとは友達のような感覚で接しています。先ほどもお話したのですが、私は人と喋ることがあまり得意ではないんですね。だけど、「ファンの子には楽しんでもらいたい」「私といる時は幸せを感じてほしい」という思いが1番にあって。

プライベートでは会話を続けられないのに、ファンの皆さんのことは知りたくなって「今日は何をしていたの?」「このあとどこに行くの?」と友達と話すような感じで自然と聞いてしまうんですよ(笑)。オンラインお話会だとお家の中が映るので、部屋に置いてあるものに対して「それ何!?」と気になって聞くとか。

好きだと自然にいろんなことが気になるんだなって。それが理由で私はファンの皆さんと距離が近いということを気づいてもらえたら、感じてもらえたら嬉しいなと思っています。

また、私も特典会などの短い時間では語り切れない自分のプライベートのことをこういうインタビューでお話してもっと距離を縮めていきたいです。

(執筆:羽賀こはく、取材・編集:阿部裕華、撮影:はぎひさこ)

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2ndシングル「Believer」リリース概要

来栖りん 2ndシングル「Believer」
5月22日発売

【初回限定盤】
品番:LACM-34557
価格:¥3,300(税込)
仕様:CD1枚、Blu-ray1枚、フォトブック、スリーブ付き

<CD>※全形態共通
1. Believer
作詞・作曲: Junxix. 編曲: 藤田卓也
2. SUMMER JOY
作詞・作曲: Junxix. 編曲: kazuboy.
3. ヒロイン
作詞・作曲: Junxix. 編曲: 藤田卓也

<Blu-ray>
1. Believer -Music Video-
2. Believer -Making Movie-

【通常盤A】
品番:LACM-24557
価格:¥1,650(税込)
仕様:CD1枚

【通常盤B】
品番:LACM-24558
価格:¥1,650(税込)
仕様:CD1枚
※TVアニメ『転生したらスライムだった件 第3期』描き下ろしイラストジャケット

来栖りんプロフィール

来栖りん(くるす・りん)
2000年11月8日生まれ、東京都出身。

来栖りん オフィシャルサイト: https://kurusurin.jp/
来栖りん 公式X(旧:Twitter): https://twitter.com/kurusurindesu
来栖りん Instagram: https://www.instagram.com/ringring_rin/
来栖りん アーティストYouTubeチャンネル: https://www.youtube.com/@kurusu_rin

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