『滝沢歌舞伎』『SHOCK』に続き…旧ジャニーズJr伝統の舞台『少年たち』が終了濃厚 消滅していく「60年間」

『滝沢歌舞伎』に出演してきたSnow Man(C)ピンズバNEWS

10月に東京・新橋演舞場、11月に大阪・松竹座にて上演される舞台『劇走江戸鴉~チャリンコ傾奇組~(げきそうえどがらす チャリンコかぶきぐみ)』。5人組グループ・HiHi Jetsの井上瑞稀(23)、橋本涼(23)のダブル主演が5月17日に発表されたが、それを受けてのファンの胸中は複雑なようで……。

「旧ジャニーズでは、2015年から23年まで毎年秋に大阪・松竹座や東京・日生劇場などでジャニーズJr.(現『ジュニア』)がメインのミュージカル『少年たち』シリーズを、ほぼ毎年上演してきました。HiHi Jetsは同公演の常連出演者でしたが、この時期に井上・橋本コンビが『劇走江戸鴉』の仕事があること、そしてそのほかの事情から、“もう『少年たち』は上演されないのではないか”と考える声が噴出しているんです」(女性誌編集者)

舞台『少年たち』は1969年にフォーリーブス主演で開催され、事務所に所属する若手メンバーの登竜門的な作品として、何度も再演されている舞台。近年では2015年から23年までコロナ禍の2020年を除き毎年上演されていたほか、2019年には映画化もされている。

今回、話題となっているHiHiJetsは、6人組グループの美 少年と21年、22年に2グループ主演を務めていた。

今年は、HiHiJetsだけでなく、23年に単独主演だった美 少年も出演が厳しいと言われている。岩崎大昇(21)が10月に日生劇場公演ディズニーミュージカル『ニュージーズ』の主演が決まっていて、スケジュール的に『少年たち』への出演が困難なのだ。

「何よりも昨年、ジャニー喜多川氏(享年87)の加害を事務所が認めたことが大きいですよね。ジャニーズ事務所は昨年10月で消滅し、今年4月からタレントのマネジメントはSTARTO ENTERTAINMENTの新体制に移行。また、『少年たち』の演出では、ジャニー氏の加害行為が大騒動になる前から“桶ダンス”のいかがわしさが問題になっていましたよね」(前同)

今、X(旧ツイッター)には、

《去年の少年たちとほぼ同じ日程だねここは空いてたから何かしらやると思ってたけど、やっぱり少年たちはあれが最後だったのかな…ひーくん(SnowMan・岩本照)の演出本当に素晴らしかったよ》
《はしみず(橋本涼と井上瑞稀)が10月演舞場11月松竹ってことは今年は少年たちないのかな?》
《はしみず舞台でもうほぼほぼ今年の少年たちないですよね…新橋空いてる9月だとしても岩本さんが携わることは無理だし事務所の色々考えると去年でおしまいだったのかな》

といった、舞台『少年たち』が今年は上映されないのでは、という声が多く寄せられている。

■『滝沢歌舞伎』と『SHOCK』も終了へ

ワイドショー関係者は言う。

「ジャニー氏の加害問題とは別の理由もあり、近年、旧ジャニーズでは長年続いてきた舞台が続々と終了していっています。それも含め、どんどんジャニーズ時代の伝統がなくなっていくことにショックを受けているファンも多くいますね」

現在、TOBEの社長を務める滝沢秀明氏(42)が22年10月末に退所したことで、滝沢氏がタレント時代から演出を手掛けてきた『滝沢歌舞伎』(2010~)は23年4月開催の『滝沢歌舞伎ZERO FINAL』で終幕。

KinKi Kidsの堂本光一(45)が2000年から主演を務めるミュージカル作品『SHOCK』シリーズは、名前を変えつつ毎年上演されていたが、今年、24年11月の公演で終了することが発表されている。理由は“本拠地”である帝国劇場が建て替えのため25年2月に休館すること、光一が24年に45歳の誕生日を迎えて区切りが良いからだと発表されている。

「もちろん、ジャニー氏の加害行為は許されざる、とんでもない卑劣な行ないです。『少年たち』でも、ジャニー氏は逝去後も“エターナル・プロデューサー”としてクレジットされていたのが、23年10月公演『少年たち 闇を突き抜けて』で削除され、ジャニー氏が生前推していた“桶ダンス”のシーンもカットされました」(前同)

5月15日時点のSMILE-UP.(旧ジャニーズ)の発表では、同社に被害申告をしたのが989人。うち478人に補償内容を通知、424人と合意し、395人に補償金が支払われたという。

また今年3月にはジャニー氏だけではなく、元スタッフ2名も加害行為を行なっていたこと、昨年9月までに厳正に対処したことを事務所は公表していたが、5月16日にはその件で元所属タレントたち3名が赤坂警察署に捜査を求める申し入れを行なっている。元所属タレントの中村一也氏は《これを解決しないかぎり全容解明には程遠い》と、NHKの取材に回答している。

「ジャニー氏が長年やってきた非道な行ないを考えると、生前に彼が手掛けてきた『少年たち』が終了するのはやむを得ない、当然とも思えます。問題はまだまだ解決しておらず、英国公共放送のBBCの追及があるたびに、新たな事実も出てくるような状態ですよね。しかし一方で、ひとつの歴史が消えていくのは事実で、それに複雑な思いを持っている人もいると。

今年は1964年にジャニーズ事務所が創業されてから60年という節目の年でしたが、すでに昨年10月に同社の名称は消滅。そして、終了が明らかになっているものに加え、今後も“伝統行事”として親しまれていた舞台やイベントは消えていくのかもしれませんね……」(前同)

弊サイトは、『少年たち』が再演される可能性についてSTARTO社に問い合わせたが、回答を得ることはできなかった。

多くのファンを楽しませてきたエンターテイメントコンテンツが消えることは残念なこと。しかし、まだ多くの被害者が苦しんでいるジャニー氏の加害問題を、うやむやにすることだけは絶対に許されないだろう。

© 株式会社双葉社