ベトナム国家主席にラム公安相、国会が承認

Khanh Vu

[ハノイ 22日 ロイター] - ベトナム国会は22日、国家元首で共産党序列2位の国家主席にトー・ラム公安相(66)が就く人事を承認した。最高指導者である党書記長の地位を狙う布石と政治アナリストはみている。

国会は20日にチャン・タイン・マン副議長を新議長に選出。国家主席や国会議長の相次ぐ辞任による政情不安が目先は収束する可能性がある。

ラム氏は公安相として反汚職運動で重要な役割を果たしてきた。同運動については、汚職根絶という目的以外に、政治的対立相手を退ける狙いがあるとの見方もある。

国家主席はベトナム指導部の「4本柱」の一人だが、権限は限定的となっている。

最高指導者のグエン・フー・チョン党書記長は2026年に3期目の任期が終了する。任期が終わる前に職を退く可能性もある。

オーストラリア国防軍士官学校のベトナム専門家、カール・セイヤー名誉教授は、「トー・ラム氏は『4本柱』の一人という地位を書記長就任への足掛かりにする可能性がある」と述べた。

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