「被買収」木戸経康元広島市議の控訴棄却 河井元法相大規模買収事件で広島高裁

広島高裁

 2019年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、河井克行元法相(61)=仮釈放中=から現金30万円を受け取ったとして公選法違反(被買収)の罪に問われた元広島市議木戸経康被告(68)=安佐北区=の控訴審判決が22日、広島高裁であった。森浩史裁判長は罰金15万円、追徴金30万円とした一審広島地裁判決を支持し、被告の控訴を棄却した。

 控訴審で木戸被告側は「選挙運動の報酬の認識を推認できない」などとあらためて無罪を主張。「(捜査段階の)取り調べで不起訴の約束があった」などと検察官による公訴権の乱用も訴えていた。

 昨年10月の地裁判決は現金を受け取った時期などから「選挙運動をすることの報酬を含むものと認識していた」と判断。克行氏の妻案里氏(50)=有罪確定、参院選の当選無効=の選挙運動をする報酬として19年4月3日、安佐北区内で現金30万円を受け取ったと認定した。

 また、捜査段階での取り調べについては、不起訴を前提にした検察官の取り調べに言及する一方で「公訴を棄却すべきほどの違法性を有するとはいえない」とした。

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