中尾彬さん81歳で死去 妻・池波志乃さんコメント「あまりに急で、変わらない顔で逝ってしまった」

中尾彬さん(2019年撮影)

22日、俳優の中尾彬さんが5月16日に心不全のため亡くなったことを、所属事務所が公式サイトを通じて発表した。81歳だった。葬儀告別式は故人・親族の意向で近親者のみで行い、お別れの会などは予定していない。所属事務所は「誠に勝手ながら御弔問・御香典・御供花等の儀は固くご辞退申し上げます」としている。

妻の池波志乃さんも事務所を通じてコメントを発表。池波さんによると、中尾さんは今年に入って体力が落ち、医師の訪問を受けながら自宅で休んでいた。時には取材や仕事をこなし、リハビリもしていたというが「15日に容態が急変し、16日の夜中に自宅で私と二人の時に、とても穏やかに本当に眠るように息を引き取りました」と伝えた。

池波さんは続けて「あまりに急で、変わらない顔で逝ってしまったので、まだ志乃~と呼ばれそうな気がします。叶いますならば、中尾彬らしいね~と笑って送ってあげてくだされば幸いです。長い間、本当にありがとうございました」とコメントしている。

中尾さんは1942年8月11日生まれの千葉県出身。1961年に武蔵野美術大学油絵科に入学し、同年、日活第5期ニューフェイスに合格。1964年に日活映画『月曜日のユカ』でデビュー。金田一耕助を演じた『本陣殺人事件』や『ゴジラ』『極道の妻(おんな)たち』シリーズ、『アウトレイジ ビヨンド』、『翔んで埼玉』、ドラマ「暴れん坊将軍」(1978~1982)、「GTO」(1998)、など数多くの映画・ドラマで活躍した。

バラエティ番組にも活動の場を広げ、ユーモアあふれる発言やストールなどをねじって首に巻く独自のファッションなどでお茶の間に親しまれた。1983年には絵画展「ル・サロン」でグランプリを受賞するなど、多彩な活動でも知られた。

所属事務所が発表したコメントは以下の通り。(編集部・入倉功一)

中尾 彬に関するご報告
日頃より温かいご支援ご厚情をいただき心より御礼申し上げます

弊社所属 中尾 彬が去る2024年5月16日 心不全のため81歳で永眠しました
これまで応援してくださったファンの皆様 多くの作品でお世話になりました関係者の皆様の生前のご厚誼に深謝いたしますとともに謹んでお知らせ申し上げます

なお 葬儀告別式につきましては 故人ならびにご遺族の意向により近親者のみにて執り行いましたことを併せてご報告いたします また お別れの会などは予定しておりません 誠に勝手ながら御弔問・御香典・御供花等の儀は固くご辞退申し上げます

報道関係の皆様におかれましては ご遺族の心中をお察しいただき自宅や各所への取材等はお控えくださいますよう 切にお願い申し上げます

以下 喪主である妻・池波志乃より皆様へのご挨拶です

池波志乃です。
終活以来の中尾の遺言で、このような形を取りました。
仕事でお世話になった関係者の方々、マスコミの皆様、親しい友人の方々、応援してくださった皆様に、託された私から、お詫びとご報告申し上げます。
今年に入って足腰が悪く体力も落ちて、医師の訪問を受けながら、本人の意思により、自宅でゆっくり休んでおりました。時には取材や、足腰をかばっての仕事もやらせていただき、本人は元気で12月の旅行に向けて、頑張ってリハビリをしていたくらいでしたが、15日に容態が急変し、16日の夜中に自宅で私と二人の時に、とても穏やかに本当に眠るように息を引き取りました。
あまりに急で、変わらない顔で逝ってしまったので、まだ志乃~と呼ばれそうな気がします。叶いますならば、中尾彬らしいね~と笑って送ってあげてくだされば幸いです。
長い間、本当にありがとうございました。

© 株式会社シネマトゥデイ