「多くのプレイヤーがスマーフを嫌っているが、この行為は一般的になっている」―オハイオ州立大学の学生がゲームの「スマーフ行為」に関する研究を発表

Ethan Miller/Getty Images North America/ゲッティイメージズ

オハイオ州立大学のコミュニケーション学を専攻する博士課程の学生が、オンラインゲームにおける「スマーフ行為」に関する研究を発表しました。

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コミュニティの悩みの種「スマーフ行為(smurfing)」とは

「スマーフ行為(smurfing)」とは、プレイヤーのスキルに基づいて対戦相手が選ばれる「マッチメイキングシステム」が採用されているゲームにおいて、新しいアカウントを作成するなどして、意図的に自分よりスキルの低い人とマッチングをする行為のことです。

またこのスマーフ行為に関連して、新たに作成したアカウントと初心者でチームを編成し、ランクやレートが低いプレイヤーのレートを不正に上げる「ブースティング行為」もコミュニティでは問題視されています。

自らを「初心者」と偽っていわゆる“初心者狩り”を行ったり、暴言などゲーム内でふさわしくない言動をしたりと健全なものではなく、『VALORANT』を運営するRiot Gamesは「スマーフ検知システム」を導入するなどスマーフ行為に対する取り組みや方針を定期的に発表しているほか、『Dota 2』では2023年に9万ものスマーフ用アカウントをBANしたことを発表しています。

プレイヤーが「スマーフ」をする理由とは?行為にフォーカスした研究が発表

そんな「スマーフ行為」に焦点を当てた研究を行っているのが、オハイオ州立大学所属、コミュニケーション学専攻の博士課程学生チャールズ・モンジュ氏で、同氏は研究のなかで「多くのプレイヤーがスマーフ行為を嫌っていると主張しているにも関わらず、この行為が一般的になっている」と述べているほか、「彼らはゲームを台無しにしたいというわけではなく、“正当な理由”があってスマーフ行為をしている」と補足しています。

同じくオハイオ州立大学所属のコミュニケーション学助教授、ニコラス・マシューズ氏と共同で行われている今回の研究では、さまざまな調査が行われており、redditユーザーやゲーミングクラブに属している人を対象に調査が行われました。ひとつめの調査のデータとなった人数は328人で、1週間のゲームプレイ時間は平均して24時間時間以上となっています。

調査の結果、参加者は「スマーフ行為を行うプレイヤーは他のプレイヤーよりも有害である可能性が高い」と認識している一方で、参加者のうち69%が「少なくとも時々、スマーフ行為をする」と回答しているほか、94%の人は「他の人もスマーフ行為をすると思う」と考えているということもわかりました。

また、実験の後、参加者になにかコメントはないかと尋ねたところ、「私は時々スマーフをするけど、本当にそれがいつも“悪い”というわけではない」という驚くべきコメントが多数返ってきたことにも言及しています。

次に行われた調査ではこのコメントのもと、「スマーフ行為を行うプレイヤーへの非難」についての研究がなされています。この調査ではスマーフ行為に「ゲーム経験の浅い友人と一緒にプレイしたいから」「自身よりスキルの劣るたくさんのプレイヤーを潰したいから」というさまざまな理由があるというシナリオを用意したうえで、プレイヤーの行動を評価しました。

この調査で参加者は偏見の強い反応を示すことはなく、ある行動が非難に値するかどうかはニュアンスによって違いが存在し、「社会的な規制(socially regulated)」に基づいていることがわかりました。モンジュ氏は「彼らは友達と遊ぶためにスマーフ行為をしているだけなら問題ないと考えている」と指摘しています。

また、この結果は「何かを“間違っている”とする場合、それは理由に関係なく常に“間違っている”」とする「動機づけされた非難の視点(motivated-blame perspective)」とは異なるものであり、研究者の予想に反したものであったことが語られています。

これらの調査を通じて、研究者たちは「多くのゲーマーがスマーフ行為と複雑な関係性を持っている可能性があり、“スマーフ行為を認めない”と言うのは彼らにとって単純化しすぎてしまっているかもしれない」と述べています。さらにこの研究において検討された問題は、ゲーム以外のことにも広く当てはめて考えることができるとの見解を示しています。

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