中尾彬さん死去 「ゴジラ」など人気作多数、バラエティーでも大人気 惜しむ声続々......「心救われた」「指針となるお言葉」

俳優の中尾彬さんが2024年5月16日に心不全のため死去した。81歳だった。22日、所属事務所の古館プロジェクトが発表した。

俳優としてだけでなく、数々のバラエティー番組でも存在感を発揮した中尾さんの訃報に、惜しむ声が相次いでいる。

「本人は元気で12月の旅行に向けて、頑張ってリハビリをしていたくらい」

妻の池波志乃さんは、所属事務所を通じ「終活以来の中尾の遺言で、このような形を取りました」との声明を発表し、死去までの経緯を次のように説明した。

「今年に入って足腰が悪く体力も落ちて、医師の訪問を受けながら、本人の意思により、自宅でゆっくり休んでおりました。時には取材や、足腰をかばっての仕事もやらせていただき、本人は元気で12月の旅行に向けて、頑張ってリハビリをしていたくらいでしたが、15日に容態が急変し、16日の夜中に自宅で私と二人の時に、とても穏やかに本当に眠るように息を引き取りました」

突然の別れに、「あまりに急で、変わらない顔で逝ってしまったので、まだ志乃~と呼ばれそうな気がします」とつづり、「叶いますならば、中尾彬らしいね~と笑って送ってあげてくだされば幸いです」と呼びかけた。

中尾さんは俳優として「ゴジラ」シリーズのGフォース麻生司令官役や「アウトレイジ ビヨンド」の山王会幹部・富田役など、数々の人気作に出演していたほか、「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」「水曜日のダウンタウン」など人気バラエティ番組でも活躍。スカーフやマフラーなどをねじって巻いたトレードマークの「ねじねじ」でも知られ、幅広い年代からの支持を集めた。

SNSでは、「中尾彬さん、、、木更津キャッツアイの未来のバンビ役で出てきて先行公開の渋谷の映画館初日でみんなで爆笑した思い出 ご冥福をお祈りします」「中尾さんといえば池波志乃さんとのおしどり夫婦として知られていますがやっぱりGTOの内山田教頭が思い出深い。GTOリバイバルにも出て欲しかった」「私の中での中尾彬さんは、ねじねじでバラエティに引っ張りだこのイメージでした。優しい笑顔と頼り甲斐のある貫禄は今でも忘れられないです」など、悲しむ声が相次いでいる。

「どんな状況にも対応してくださる役者魂と優しさに感激」「些細な会話で心が救われました」

芸能人や著名人らからも、惜しむ声が相次いでいる。

お笑いトリオ・ロバートの秋山竜次さんが架空の著名人を演じる「クリエイターズ・ファイル」の公式アカウントは、「2021年公開されたNetflixオリジナルシリーズ『クリエイターズ・ファイル GOLD』へ中尾彬さんにご夫婦でご出演頂きました。現場入りの際の存在感に一同緊張しましたが、どんな状況にも対応してくださる役者魂と優しさに感激しました」と感謝をつづった。

元経済産業省官僚で慶応大学大学院教授の岸博幸氏は、「中尾彬さんが亡くなった。。。かつてテレ朝のグッドモーニングで一緒にコメンテーターやっていた時、色んなことを教えていただいた」と振り返り、「今は若い薄いコメンテーターばかりなので、中尾さんにもっと正論を吠えてほしかった。中尾さんから頂いたデュポンのライターを大事に使わないと」と寂しさを滲ませた。

タレントのフィフィさんは「私が芸能界で活動を始めた頃、バラエティーの特番に呼ばれて、前室にタレントさんが集まって収録待ちをしていた際、まだ知り合いのいない私を気遣って中尾彬さんがお声をかけて下さいました。あなたはどこの国なの? と、そんな些細な会話で心が救われました。有難う御座います」とのエピソードを明かし、感謝をつづった。

主演で恐縮していると「良い芝居してるから自信を持ちなさい」

お笑いコンビ・ドランクドラゴンの塚地武雅さんは共演歴を振り返り「バラエティーで共演したり、はねるのトびらではマネさせていただいたり、裸の大将でも共演し、主演という立場に恐縮している僕に『塚地,座長なんだから堂々としなさい。他業種だからとか関係ない。良い芝居してるから自信を持ちなさい。』と。僕の指針となるお言葉をいただきました」としている。

映画評論家の小玉大輔さんは「中尾彬さんが亡くなった。ある時期から『中尾彬』ってものを演じるようになったけど、昔の作品を観るとまるで別人。『月曜日のユカ』の純情青年、『本陣殺人事件』の70年代スタイルの金田一、『帰らざる日々』のなんか気に食わない大人、そして『日本の黒幕』。刀一閃の後の台詞にしびれました」と数々の名作を振り返った。

女装パフォーマーのブルボンヌさんは、「中尾彬さん、15年ほど前にオネエタレントとしてテレビ出演し出した頃にご一緒しました」と中尾さんとの思い出を振り返った。

「番宣映像用に出演者が並んだ中、派手ななりして引っ込んでいたアタシの後ろから、あの低いお声で『もっと前に出ろよ、目立ちたいんだろ?』とニヤリと笑いながら背中を押してくださって、一瞬で惚れました」

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