健康寿命を伸ばすためには足の爪の健康が重要 科研製薬と楽天モバイルが爪の健康に関するセミナーを実施

5月20日(月)、東京都内にて「人生100年時代 いつまでも自分の足で歩くために 「爪の健康」に関するプレスセミナー」が開催された。セミナーは科研製薬株式会社が主催し、楽天モバイル株式会社と合同で実施した。

今回のセミナーは歩く健康、その中でも爪の健康(爪白癬)にスポットを当てたものである。爪の健康に関して科研製薬と楽天モバイルは共同で啓発活動を展開していて、「爪切りの日」である1月7日に合わせて楽天シニア(楽天モバイルの健康生活応援アプリ)にてコラム配信も行なっている。

爪白癬とは「爪水虫」とも呼ばれる爪の病気で、足の水虫を放置したことで爪の中に菌が侵入して発症することが多い。ひどい状態になると歩行にも異常が生じて、転倒による大怪我にも繋がりかねない危険性をはらんでいる。

セミナー内では、あたご皮フ科の副院長で日本臨床皮膚科医会会長も務める江藤隆史氏の講演も行なわれた。江藤氏は16年ぶりに実施された足白癬と爪白癬の実態に関しての大規模疫学調査「Foot Check 2023」を紹介した。

調査の結果、日本人の7人に1人は足白癬、13人に1人は爪白癬、6人に1人が足に何らかの白癬(水虫)を有していることが分かった。

爪白癬は痛みや痒みがないため初期段階では気づきにくいが、放置しておくと、足拭きマットやスリッパなどを介して家族など周囲の人たちにうつしてしまう危険性もある。まずはフットチェックで足の状態を調べて、問題がある場合は病院に行ってほしいと江藤氏は語った。

埼玉県済生会川口総合病院皮膚科の主任部長で、足育研究会代表の高山かおる氏の講演も行なわれた。

フットケアのスペシャリストである高山氏は、歩ける状態を保つことが健康寿命を伸ばすことにつながると解説。歩けなくなると、次は食べられなくなり、さらには認知できなくなるといった経過で症状が悪化していくので、歩ける状態を維持することが重要なのだという。

健康を維持するための歩数の目安は、若いうちは1日8000歩(中程度の活動を20分)、高齢になってからは1日5000歩(中程度の活動を7.5分)とのことだった。

歩くためには爪の健康を保つことが重要で、江藤氏同様、高山氏も爪の状態を知るためのフットチェックの重要性を強調した。

チェックの際に見るのは、爪の色と形。爪の色が白の場合は爪白癬、黄色の場合は肥厚爪、黒の場合は爪甲下血腫などが疑われる。形では、肥厚している場合は爪乾癬や爪白癬、薄い場合は匙状爪、弯曲した場合は巻き爪などの症状が疑われる。

爪と足のケアのため、足の指先と指間をよく洗うのがフットケアの基本であり、爪を切るときは深爪を避けて端から端に5回ぐらいに分けて切るとよいなどと、フットケアの基本についても高山氏はレクチャーした。

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