石垣市長「台湾は世界が認める国家」とXに投稿 政府の立場と相違

(資料写真)中山義隆石垣市長

 【石垣】台湾の頼清徳新総統の就任式に招待された中山義隆市長は19日、X(旧ツイッター)で「台湾は世界が認める国家」などと投稿した。日本政府は台湾との関係について「非政府間の実務関係として維持」との立場を取っており、国家とは認めていない。中国側の反発も懸念される。

 中山市長は19日に台湾入りし、20日の就任式に出席した。

 沖縄国際大学の前泊博盛教授はこの投稿について「日中共同声明や米中共同声明ではいわゆる『一つの中国』を認め、そこから台湾の安定に向けた努力を積み上げてきた。こうした国際政治や歴史の理解が足りておらず、軽率だ」と問題視した。

 頼新総統が就任スピーチで、統一も独立も求めず「現状を維持する」と表明したことに触れ、「台湾が現実的に有事を回避しようと努力する中で、それを踏みにじる行為」とも指摘。「市民の安全を守る石垣市長として台湾有事を懸念するならば、もっと冷静であるべきでは」と投げかけた。(八重山支局・矢野悠希)

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