アラフォー・アラフィフ世代が投資を始めるのに必要な心構えとは?

今後、投資は必要不可欠なものになります

バブル経済が崩壊し、いわゆる「失われた30年」として日本経済は低迷期が続きました。そのため「ゼロ金利政策」に代表されるように、預貯金の利率も低く、古いデータにはなりますが、2022年3月時点(現状もほとんど変更はありません)の定期預金の預入期間別平均年利率は、10年預入で「0.002%」となっています(注1)。

つまり、100万円を10年間預け入れたとしたら、10年後に払い出しされるのは、100万20円(税引前)です。これでは増えません。また、食料品や日用品の物価高騰が続くなか、給料はそれに伴い増えることはなく、家計を苦しめています。

このような状況下で、2024年から新しいNISA制度が始まりました。国が国民に投資をうながすべく、投資をしやすい制度に改正したかたちです。

投資はハードルが高い

ただ、アラフォー・アラフィフ世代のなかには、「投資を始めることはハードルが高すぎる」と思っている人もいるでしょう。

小さなころから、お年玉をもらえば貯金しなさい、学生時代のアルバイトでの給料も、全部使うのではなく少しは貯めなさいと教えられ、社会人として働きだしても、将来に向けてお金を貯めなさいと言われてきた世代です。

「お金を貯める」以外のお金の使い方で親から教えてもらったことと言えば、保険に加入することと、投資はしてはいけない、ということです。「投資はギャンブルだ」という教育を自然と植えつけられているのです。

そのため、アラフォー・アラフィフ世代は、投資を敬遠しがちです。

投資を始めようかな、と思ったら

一方で、アラフォー・アラフィフ世代は、子どもの教育費や親の介護費用で支出が増えます。そのうえ、自分たちの老後資金の不安も重なります。つまり、お金を増やしたいという思いが強いです。

そこで「投資」に興味をもったのはいいものの、「じゃあ口座を開設しよう」という行動にすぐには出られなかったりします。さらに、多くの日本人の性格ゆえか、誰かに聞きたくても、お金の話を誰かに相談するという習慣がある人が少ないため、なかなか相談できません。しかしまずは、誰かに相談することから始めてみましょう。

では、誰に相談したら良いのかも、気になるかと思います。相談する相手の絶対条件は、自分と気が合う人です。次に、自分の言いたいことが言える相手です。話が上手で勢いで押してくるような相手は避けてください。

例えば、金融機関で何となく声をかけられて、「預金に置いておいたら増えないので、こういった金融商品の購入はいかがですか。」と言われたときに、勢いだけで話を聞いて何となく始める、といったことはしないように注意してください。

投資の相談をするときに必要な心構えは・・・

投資の相談に行ったときに持っておきたい心構えは、気が乗らないなら「やらない」と言える勇気です。相談相手にはよりますが、例えば金融機関であれば、相手は絶対に金融商品を売りたい、と思って話を進めてきます。

話し方も含めて、投資の知識もおそらく相手の方が上です。その相手に流されることなく、自分の意思で「YESかNOか」を言う勇気が必要です。

投資は、相談に行くとき・購入するとき・売却するとき・持ち続けているときのすべてにおいて、勇気が必要です。すべて自分の意思で、そのときそのときを決定していく勇気が必要です。それを持ち合わせていないと心が折れてしまうこともあります。

そのときに必要なのは、やはり相談相手です。決定するのは自分自身ですが、自分の知識を補充してもらう相手が必要となります。

ただ、相談相手に全権をゆだねるのではなく、相談相手に自分の思いが打ち明けられるというのが理想です。そういった人を見つけて勇気ある一歩を踏み出し、2024年以降、お金のちょっとした不安をなくしていけると良いですね。

出典

(注1)日本銀行金融機構局2022年3月30日「預金種類別店頭表示金利の平均年利率等について」

執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

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