2000年前の馬王堆漢墓「辛追夫人」、AIがよみがえらせた「東洋の眠れる美女」―中国

湖南博物院はこのほど、馬王堆漢墓に埋葬されていた今から約2000年前の辛追夫人の3Dデジタル人物像を初公開しました。写真左は35歳前後、右は50歳前後。

中国中部にある湖南博物院はこのほど、馬王堆漢墓に埋葬されていた今から約2000年前の辛追夫人の3Dデジタル人物像を初公開しました。公開されたのは35歳前後の時の全身の座った姿と50歳前後の頭部像です。

「東洋の眠れる美女」と呼ばれる辛追は1970年代に発掘されましたが、当時は医学画像設備に限界があり、頭蓋骨に対してX線の病理検査を行っただけでした。湖南博物院の段暁明院長は、「辛追が出土した時、外観は完全な姿を保っていた。全身が潤っており、皮下の軟組織は柔軟で弾力性があった。一部の関節は動かすこともできた。まつ毛も残っており、手や足の指紋も鮮明だった。年齢は50歳前後と推定された」と説明しました。しかし出土時に容貌は膨張して変形して腐敗してしまい、生前の姿は分からなくなったとのことです。

今回公開された3Dデジタル人像は、馬王堆漢墓で辛追が出土された時の頭部スキャンX線写真を主な根拠として、高精度人体モデリング技術により、人体の微小な生物的特徴までを復元し、顔の毛穴を鮮明に見ることもできます。最大限度で容姿を復元したということです。

2024年は馬王堆漢墓の発掘調査完了の50周年に当たります。馬王堆漢墓は前漢の長沙国の宰相だった軑侯利蒼一家3人の墓で、計3000点以上(セット)の貴重な文化財が出土した、20世紀における最も重大な考古学的発見の一つです。中でも1号墓から出土した辛追夫人の遺体は、世界でこれまでに発見された体液の残っている状態の遺体として、保存期間が最も長いとされます。(提供/CRI)

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