【夏場所】湘南乃海が単独首位 師匠の高田川親方「勝っても拍手がわかない。お客さんは…」

湘南乃海

快挙達成なるか。大相撲夏場所11日目(22日、東京・両国国技館)、幕内湘南乃海(26=高田川)が幕内宝富士(37=伊勢ヶ浜)を小手投げで下して9勝目。2敗同士の対決を制し、優勝争いで単独トップに立った。

取組後は「集中できていたのかなと思います。とっさの小手投げ? 集中して対応できて良かった。一日一番、変わらないので。明日も集中して頑張ります」と気持ちを引き締めた。神奈川・大磯町出身。同県から優勝すれば、1959年九州場所の大関若羽黒以来、3人目。65年ぶりの快挙が、次第に現実味を帯びてきた。

一方で、審判長を務めていた師匠の高田川親方(元関脇安芸乃島)は「勝ったというだけ。前に出て勝負をつけてもらいたい。勝っても勝っても、拍手がわかないから。やっぱり、お客さんは知っている。前に出る人には拍手するけど。そこらへんは相撲内容なのでは」と辛口の評価を下す。

さらに「いい相撲もあるけど、半分は〝いなし〟とか〝はたき〟だから。今場所は決まっているけど、決まらなかったら大した勝ち星じゃない。どんどん前に出ていく力をつけた相撲を取っていけば、あれだけの体があるんだから、魅力も出てくるし、拍手も出てくる」。まな弟子に期待をかけているがゆえ、あえて厳しく注文をつけていた。

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