松柏美術館30周年記念特別展 「文化勲章 三代の系譜」

奈良市にある松伯美術館が、開館して30周年を迎えたことを記念する特別展「文化勲章 三代の系譜」が今開かれています。

特別展は、日本画で三代にわたり文化勲章を受章した上村松園・松篁・淳之の画業を振り返るものです。

格調高い美人画でその名を知られる松園は、1948年に女性として初めて文化勲章を受章しました。松伯美術館で初公開となる「月蝕の宵」。艶やかな着物姿の女性が月蝕を鏡に映して楽しむ様子が描かれています。

松園の息子、松篁は、花鳥画の世界で新たな日本画表現を切り開き1984年に受賞。「杜若」は、芽の出る前から構図を決め実際に植え込んだ作品で松篁の美を追い求める真摯な姿勢が見てとれます。

そして花鳥画を通して東洋独自の絵画空間を追及してきた孫の淳之は、2022年に受章。様々な鳥の姿を描き続けることで未来へのメッセージを送り続けています。

この特別展は、展示替えをしながら7月15日まで開かれています。

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