FIFA、脱スイスに向け定款改正

チューリヒにある国際サッカー連盟(FIFA)の本部 (KEYSTONE/KEYSTONE/Ennio Leanza)

国際サッカー連盟(FIFA)は17日、本部をスイス・チューリヒ以外に移せるよう定款を改正した。

同日バンコクで開いた総会で、定款改正案を承認した。総会が決定するまでFIFA本部を引き続きスイスのチューリヒ市に置くことが新たに盛り込まれた。

FIFA広報は独DPA通信に「加盟国が別の決定をしない限り、本部はチューリヒのままだ」と語り、ジュネーブやローザンヌにも多くのスポーツ・国際団体の本部が置かれていることにも言及した。「実際、我々は現在スイス国内の他の場所に支部を開設し、国内での存在感を拡大することを検討している」

「チューリヒに残って欲しい」

FIFAのスイス代表団は定款改正の採決に先立ち、賛成票を投じるか棄権すると発表した。スイスサッカー協会(SFA)のドミニク・ブラン会長は、チューリヒからの移転は残念だと語った。ドイツ語圏のスイス通信Keystone-SDAに「我々はFIFAと非常に良好な協力関係を築いており、本部はチューリヒに残ってほしいと考えている」と述べた。

チューリヒ市当局は16日、Keystone-SDAに対し、定款の改正について事前に知らされたが、移転計画については承知していないと明かした。FIFAは民間機関であるため、この問題についてこれ以上コメントしたくないとも語った。

パリ生まれチューリヒ育ち

FIFA は1904年にパリで創設されたが、 1932年にチューリヒに本部を移した。チューリヒ州法人登記簿には協会として登録されている。これまでにも移転観測が飛び交ったことはあるが、直近では昨秋、FIFAが100人以上のスタッフをマイアミに移す計画が公表された。2026年ワールドカップへの布石とされるが、ジャンニ・インファンティーノ会長に対する検察の捜査を逃れるためとの見方も浮上している。

最近ではパリなど海外に事務所を増やしている。法務部門はフロリダに拠点がある。FIFA広報はDPAに「FIFAは世界的な統括団体であり、マイアミ、パリ、ジャカルタなど世界中に事務所があるのは当然だ」と語った。

英語からのGoogle翻訳:ムートゥ朋子

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