「緊迫性を訴えたが」区役所職員は「生活感がある」と判断 住宅で70代女性死亡、障害のある息子は衰弱

メ~テレ(名古屋テレビ)

名古屋市名東区の住宅で70代の女性が死亡しているのが見つかり、障害のある息子が衰弱していました。名東区役所が2人の状態を確認したのは、連絡を受けてから1週間後で、メ~テレの取材で明かになりました。

警察によりますと、14日午後3時ごろに名東区の住宅で、名東区役所の職員から「連絡が取れなくなっている人のところに来ている。異臭がする。119番通報はしてある」と通報がありました。 この住宅には、76歳の女性と重度の障害がある40代の息子が暮らしていました。 「本当に納得がいかないという思いが一番強い。すがる思いで連絡をしたのに、もっと早く迅速に動いてもらえていたら、もっと早く対応できたのではないかと怒りが…」(障害福祉サービス施設 職員) こう話すのは、息子が通っていた障害福祉サービス施設の職員です。

「緊迫性を訴えても見に行かれるそぶりはなかった」

親子に“異変”があったのは、ゴールデンウイークが明けた7日でした。 「7日は来所予定だったが、朝迎えに行ったらいなくて。電話をかけたが出なくて、何度も電話をして、留守電を残したが連絡が取れなかった」(職員) 翌日になっても連絡が取れなかったため、施設の職員が「通っている障害のある息子の母親と連絡が取れない」と区役所に連絡しました。 「こちらも電話をかけているが、つながらないという回答でした。すぐに見に行ってくださいとお願いしているのですが、緊迫性を訴えても見に行かれるそぶりはなかった」(職員)

区役所の職員は「生活感がある」と判断

その2日後―― 「本当にすぐにでも区役所に安否確認をしてほしいと話をしたら、金曜日(10日)の午前中に連絡を入れたのかな。そうすると、午後から行ってきますと言われた」(職員) その際、区役所の職員は「生活感がある」と判断したということです。 「入り口のところに生協が置いてあったことと、手紙がないということだったが、後々聞くと手紙はあったらしくて。何を見てきたのかな」(職員) その後、14日に警察と区役所の職員が訪れ、母親が死亡しているのが見つかりました。 親族によると、死亡したのは4日ごろとみられるということです。

息子の様子は…

母親が死亡してから、発見まで10日程度。 40代の息子の様子は―― 「相談員を通じて病院に入って、障害のある息子に検査だけでも受けてほしいと話して、やっとあの時、病院に行ったのかなって。結局検査して入院になった状態だったので。最初に1泊2日だけという話だったんですけど、結局やっぱり衰弱が激しいということで、退院ができないと言われた」(職員) 現在は、快方に向かっているとみられるということです。 警察によると、重度の障害のある息子は母親の死亡が理解できなかったとみられています。 名東区役所は、メ~テレの取材に対し「事実は把握している」とコメントしています。

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