「仕返しは悪いこと?」「優しさって何?」哲学者・教育学者の苫野一徳が提案する“親子の哲学対話”とは

苫野一徳『親子で哲学対話 10分からはじめる「本質を考える」レッスン』(大和書房)が2024年5月18日に発売された。本書は、親子の間での「10分間の対話を通じて」思考力を育むという教育法を提唱している。

AI時代には「本質を考える力」がますます求められるように。情報があふれるこの時代において、情報をただ受け入れるだけでなく、その本質を探求し、自己の思考に結びつける能力が必要となっている。本書は、そのような「本質を考える力」を育むための手引きとなる一冊だ。

著者の苫野一徳は、哲学者であり教育学者でもある。熊本大学大学院教育学研究科の准教授を務める傍ら、2児の父としてもその教育法を実践しています。早稲田大学大学院教育学研究科博士課程を修了し、博士(教育学)の称号を持つ苫野氏は、経済産業省「産業構造審議会」委員、熊本市教育委員のほか、全国の多くの自治体・学校等のアドバイザーを歴任してきたた。

本書で苫野は、親子対話を通じて思考力を鍛える方法を提案。苫野自身が自らの子どもたちとの対話の中から得た経験と知見をもとに、「親子で哲学対話」の真髄を伝える。 「哲学対話」は、対話を通じて「共通了解」を探すトレーニングのこと。対話の中で共通の理解を見つけ出すことで、相手の立場や視点を理解する力、自分の意見を述べ、他者と調和して考える力が育つそうだ。本書は、そんな「哲学対話」のきっかけとなるさまざまな問いを読者に投げかける。例えば、「仕返しは悪いことか?」「勉強するのはなんのためか?」「よい社会とは何か?」など、親子間での「哲学対話」のきっかけとなる問いだ。

教育界を牽引する哲学者が自らの経験をもとに届ける「親子で哲学対話」、ぜひチェックしてみよう。

(文=リアルサウンド ブック編集部)

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