海自大湊統合巡る江渡元防衛相の発言「自民党県連の考えでない」 津島会長、青森・むつ市訪れ回答

質問状を提出した地元8団体の代表者らに回答する津島会長(左)
内田会頭(右)に回答を渡す津島氏=22日、むつ市

 海上自衛隊大湊地方隊(青森県むつ市)の横須賀地方隊(神奈川県)への統合を巡る自民党の江渡聡徳元防衛相の発言について、同党県連の津島淳会長は22日、むつ商工会議所(内田大輔会頭)など地元8団体が提出した質問に「県連としての考えではない」と回答した。内田会頭は回答に理解を示し、江渡氏本人に真意を確認する考えを示した。

 同日、同商工会議所で津島氏が内田会頭に回答を手渡した。県連の高橋修一幹事長と地元7団体の代表者も同席した。津島氏は「さまざまな要望活動が無意味であったかのような発言がされたことは非常に残念で、われわれの本意ではない」と強調。改編後も大湊地方隊の規模が維持されることや海将ポストの総監の継続配置が決まったことなどに触れ、「こうした結果が得られたことは、地域の皆さまの熱心な要望活動があったから」と述べた。

 発言の撤回や謝罪については「県連としての考えを表明したものではないことから考えていない」と答えた上で、「政治家個人の発言はそれぞれの政治信条に基づいて行っている。本人がその責任を負うべきで、真意が何なのかという説明はあってしかるべき」との考えを示した。

 内田会頭は津島氏の回答に「防衛省に要望してきた事実を認めてもらい、心通う対応をしていただいた」と語った。江渡氏への対応については「関係団体と相談して決めたい」と、回答後の取材に述べた。

 地元8団体は16日、津島氏に対し▽発言内容は党としての考えか▽内容が事実でなかった場合、党として撤回や謝罪をする準備があるか-をただす質問状を提出していた。同党の岸田文雄総裁と木原稔防衛相に対しても発言内容への見解を問う質問状を提出しており、津島氏は、31日の期限までに回答が得られるとの認識を示した。

 一方、江渡氏は22日、国会内での取材に「近く対応する」と述べた。

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