台湾人の日本の職場観察、接待以上に大変だったのは…―台湾メディア

台湾メディアの商業周刊はこのほど、「台湾人の日本の職場観察」とする文章を配信した。

台湾メディアの商業周刊はこのほど、「台湾人の日本の職場観察」とする文章を配信した。筆者は、10年間にわたって日本やフランス、香港、米国の金融業界に身を置いた人物だ。

文章は冒頭、「日本に着いたばかりの頃、お金がなくなるのがとても速いとよく感じた」と振り返り、大きな原因はほぼ数晩ごとにある接待だと言及。また、「特にバブル経済崩壊後に会社は予算を大幅に削減し、接待後のタクシー代を補助する会社はとても少なくなった。もし帰宅に何万円も払いたくないなら終電に間に合わせなければいけない」と述べ、「午前0時の駅は想像以上の人の多さで、照明も想像以上に明るい」と紹介した他、酔って千鳥足になった中年男性と男性を支えてホームに案内しようとする若者の姿を駅で見掛けたことをつづった。

そして、「接待大国の日本では休日でもしっかり休めないことが多い」と続け、週末の顧客とのゴルフでは「うまいプレーには『日本のタイガーウッズ』として称賛を送り、打ち損ねには『場所が悪い』という演技をしなければならない。さらに日本人は『率直な顔を合わせ』をしてこそ相手を完全に信頼できると考えているため、ゴルフの後の入浴も付き合う必要がある」と説明。「丸1日使っても得られる進展はごくわずかだ」とし、正式に契約を結ぶにはあと20回の「率直な顔合わせ」が必要とも述べた。

だが、日本で働く上で接待以上に筆者を悩ませたのは日本の職場にある数多くの「暗黙の了解」で、文章ではこれが「日本での仕事における最大の難関」と記されている。

文章は「ウェブ会議中に斜め向かいに座る上司があなたに向かって目をぱちぱちさせたら、あなたは直ちにさまざまな可能性を読み取らねばならない。『発言して会議の主導権を取り戻せ』という意味かと思いきや、『ミュートにして先方が言った単語の意味を説明せよ』ということだったのだ」と述べて、こうした上司の「信号」を受け止められなければ会議終了後に大変なことになると言及。「上司と100%心が通い合う」という概念は受け入れがたいとの考えを示して「だが日本社会は暗黙の了解で運営されているようだ」とする一方、「知ってみると、職場を含む日本文化は不思議な安定感を与えることに気付くだろう。なぜなら常に物事をはっきり伝えるのはとても疲れることだからだ。言わずとも分かってもらえるのは、実は誰もが多かれ少なかれ持っている願いだ」とも論じた。(翻訳・編集/野谷)

© 株式会社 Record China