新垣結衣『正欲』で映画初の助演女優賞「人生の糧になるような素晴らしい時間」

『正欲』で助演女優賞を受賞した新垣結衣

22日、第33回日本映画批評家大賞の授賞式が都内で行われ、映画『正欲』で助演女優賞を受賞した女優の新垣結衣が出席「映画で助演女優賞をいただくのは人生で初めて。この作品は私に取って大事なこと、大切なことをたくさん教えてくれた作品です。こういう作品で賞をいただけたのは嬉しいこと。人生の糧になるような素晴らしい時間を過ごさせていただき、またこのようなご縁に恵まれるよう、自分なりに頑張っていきたいなと思います」と受賞の喜びを語った。

受賞作となった『正欲』は朝井リョウの小説を映画化した作品で、新垣をはじめ稲垣吾郎らが出演。息子が不登校になった検察官、ある秘密を抱えた販売員、心を閉ざして生活する大学生など、一見無関係な人々の人生が、ある事件をきっかけに交差し始める様を描く。

新垣は、世間との関わりを断つように、代わり映えのしない日々を繰り返す販売員・桐生夏月を演じたが「今回、演じた役はとにかく想像するしかない役。自分から見えているものだけが全てではないということを頭に置いて演じました。全て想像しながら演じていました」と役づくりを振り返った。

新垣結衣と花束プレゼンターを務めた磯村勇斗

新垣が受賞する際は、同作で共演した磯村勇斗が花束プレゼンターとして登壇。磯村は、映画『』で助演男優賞を受賞しており、「非常にありがたき賞を頂いてうれしいのですが、この賞をどのように受け取ったら良いのかと悩んでいる自分と、役者としてこの賞を受賞できてうれしいという自分が戦っているような感覚です」と『月』での難しい役どころを回想しつつ、「映画作りの世界は面白くてやめられない」と晴々とした表情を見せた。

日本映画批評家大賞は、映画評論家の故・水野晴郎さんが発起人となり、映画批評家たちによって設立された映画賞。今回は2023年公開作品の中から、作品賞をはじめ17賞が19組に送られた。(取材・文:名鹿祥史)

第33回日本映画批評家大賞受賞者

作品賞:『ほかげ』(塚本晋也監督)
監督賞:荻上直子監督『波紋
主演男優賞:東出昌大『Winny
主演女優賞:筒井真理子『波紋』
助演男優賞:磯村勇斗『月』
助演女優賞:新垣結衣『正欲』
ドキュメンタリー賞: 『ライフ・イズ・クライミング!』(中原想吉監督)
アニメーション作品賞:映画『窓ぎわのトットちゃん』(八鍬新之介監督)
新人監督賞:金子由里奈監督『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい
工藤将亮監督『遠いところ
新人男優賞(南俊子賞):アフロ『さよなら ほやマン
黒崎煌代『さよなら ほやマン』
新人女優賞(小森和子賞):花瀬琴音『遠いところ』
脚本賞:上田誠『リバー、流れないでよ
編集賞(浦岡敬一賞):今井大介『#マンホール
撮影賞:芦澤明子『スイート・マイホーム
松永文庫賞(特別賞):八丁座
ゴールデン・グローリー賞(水野晴郎賞):木野花『バカ塗りの娘
ダイヤモンド大賞(淀川長治賞):小林薫『バカ塗りの娘』

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