米4月中古住宅販売、前月比1.9%減の414万戸 住宅価格上昇が需要の足かせに

[ワシントン 22日 ロイター] - 全米リアルター協会(NAR)が22日発表した4月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比1.9%減の414万戸だった。

ロイターがまとめた市場予想の421万戸を下回った。

住宅ローン金利と住宅価格の上昇が需要を圧迫し、予想に反して減り、2カ月連続での減少となった。前年同月比は1.9%減だった。

ネーションワイド(オハイオ州)のシニアエコノミスト、ベン・エアーズ氏は「住宅ローン金利と住宅価格の上昇により、住宅購入希望者は購入条件の改善を待たざるを得ない状況になっている」と述べた。

中古住宅は米住宅販売の大部分を占めている。

地域別では、南部で1.6%、中西部で1.0%、北東部で4.0%、西部で2.6%、それぞれ前月から減った。

米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)のデータによると、30年固定金利住宅ローン金利の平均は5月上旬に7.22%と5カ月超ぶりの高水準まで上昇した後、7%を上回って推移している。

米商務省が16日発表した4月の一戸建て住宅の着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比0.4%減の103万1000戸となった。全米住宅建設業者協会(NAHB)が15日発表した5月のNAHB/ウエルズ・ファーゴ住宅建設業者指数も大幅に低下した。

4月の住宅在庫は前月比9%増の121万戸。前年同月比で16.3%増えた。

住宅が市場に出ていた期間は26日。前年同月は22日だった。販売された住宅の約3分の2は1カ月未満で買い手が決まっており、住宅供給が依然として逼迫していることが示された。

在庫の増加の多くは100万ドル以上の住宅となっており、前年同月から34%増えた。100万ドル以上の住宅の販売は前年同月比39.7%増加。対照的に10万ドル以下の住宅の販売は7.1%減だった。10万─25万ドルの価格帯の販売は0.1%増だった。

販売ペースに基づく在庫の消化期間は3.5カ月。前年同月は3.0カ月だった。健全な需給バランスは4─7カ月とされている。

販売価格の中央値は前年同月比5.7%上昇の40万7600ドルと、4月としては過去最高だった。

住宅価格は4地域全てで上昇した。

先月販売された住宅の少なくとも27%は販売希望価格を上回っており、一部の地域では住宅購入希望者が多いことがうかがえる。

また、初めての住宅購入者が全体の3分の1を占めており、2021年1月以来で最大となっている。

現金のみによる販売の割合は28%と前年同月から変わらず。投げ売り物件などは2%だった。

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