殺害現場に高圧洗浄機 血痕隠滅図ったか 那須・夫婦焼損遺体事件

 栃木県那須町伊王野の河川敷で4月中旬に夫婦の焼損遺体が見つかった事件で、夫婦の殺害現場とされる東京都品川区東五反田4丁目、空き家1階のガレージから、高圧洗浄機や血の付いた雑巾、洗剤などが見つかっていたことが22日、捜査関係者への取材で分かった。ガレージ内からは妻の血痕が見つかっており、県警と警視庁の合同捜査本部は容疑者らが事件後、血を洗い流したり拭き取ったりするなど証拠隠滅をした疑いがあるとみている。

 捜査本部によると、同千代田区、会社役員男性=当時(55)=と妻の会社役員女性=当時(56)=は4月15日午後11時50分ごろから翌16日午前1時半ごろまでの間、ガレージ内で首を絞められるなどして殺害されたとみられる。

 捜査関係者によると、女性の頭部には殴られたような痕があり、ガレージの床や壁、天井から女性の血痕が見つかった。高圧洗浄機を使った際に飛び散った可能性があるという。

 捜査本部はこれまでに、死体損壊容疑で6人を逮捕。殺人の疑いで、実行役とみられる神奈川県大和市、韓国籍、無職の男(20)と住所、職業不詳の男(20)の両容疑者ら4人を再逮捕した。

 両容疑者は知人で仲介役とされる埼玉県越谷市、建設業の男(25)から依頼を受け、事件に加担したとされる。4月16日未明、運転免許を持つ韓国籍の男の運転で那須町に向かい、河川敷で遺体を焼いた疑いが持たれている。

 仲介役とされる男は殺害事件当時、実行役とされる韓国籍の男、職業不詳の男の両容疑者から連絡を受け、「空き家のガレージのシャッターをリモコンキーで開け閉めした」などと供述。夫婦の遺体については「『分からない所に捨てて焼いた』と連絡を受けた」とも話しているという。

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