【日本ハム】快進撃で〝台風の目〟も一抹の不安… 上位争い継続へ「内弁慶ぶり」改善なるか

新庄監督はビジターの苦手意識を払しょくできるか

日本ハムが〝台風の目〟となりつつある。交流戦前の公式戦勝ち越しを早々と決めるなど相変わらず奮闘中だ。22日のオリックス戦(エスコン)では一時同点に追いつかれながらも延長10回に5―4でサヨナラ勝ちを飾った。41試合を消化したチームは23勝16敗2分けで貯金7。パ首位のソフトバンクとは6ゲーム差ながらも2位につけ、快進撃を続けている。だが、そんなチームにはどうにも悩ましい一抹の不安材料があるという。

このままの勢いを保てば、今季の日本ハムはAクラスで交流戦を迎える可能性が高い。昨季まで2年連続で最下位に沈んだことを考えれば、ここまでシーズン序盤の戦いぶりは「上出来」と言い切れる。

ただ、この成績に関してひもといていくと今後の中盤戦に向けて気になる点もある。今季の日本ハムは本拠地・エスコンフィールドと敵地での成績で極端な差が生じているからだ。

今季のホームゲームは、ここまでの20試合で15勝4敗1分け。貯金は実に「11」と驚異的な強さを誇る。一方、今季21試合の敵地では8勝12敗1分けの借金「4」と大きく負け越している。首位ソフトバンクの追撃に向け、この「内弁慶ぶり」は大きな課題だ。

日本ハムは昨年11月1日から12日間にわたり、本拠地で秋季練習を敢行。外国人選手や故障者を除くほぼ一軍フルメンバーで徹底的な守備練習を行い、内野手を中心に激増していた失策数削減に着手した。この効果もあって今季は失策数が減少。昨季5月22日時点で「29」だったチーム失策数が、今季は「21」にまで抑えられている。この守備力向上が本拠地での勝率を高めている。

だが、敵地ではその強みがなくなる分、厳しい戦いを強いられそうな雲行きだ。高卒プロ6年目捕手・田宮やプロ3年目の遊撃手・水野を筆頭とした若手選手の成長やオリックスからFA加入した左腕の山崎、助っ人中継ぎ右腕のマーフィーら新戦力の活躍もあり、戦力は昨季に比べて底上げされている。

それでも他球団を圧倒するほどの戦力を有してはいない。わずかなきっかけで大型連敗の可能性もある。だからこそ敵地でも白星を積み重ねられるかが、今後上位争いを続ける上でのカギになる。

チームはこの日のオリックス戦で劇的なサヨナラ勝ち。4点リードから終盤の8回に同点満塁弾を食らう嫌な展開となったが、最後は延長10回に野村の三塁打から田宮が犠飛を決め、執念で白星をつかんだ。これで5月は本拠地戦で負けなしの7連勝と波に乗る。

今後は果たしてビジターゲームの苦手意識を払しょくできるか。日本ハムの行く末が注目される。

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