【広島】大竹耕太郎アレルギーの特効薬は? 菊池涼介はすり足打法で緩急差に対応

7回、中前打を放った菊池涼介

広島は22日の阪神戦(マツダ)に1―2で惜敗し、連勝が4でストップした。勝てば今季初めて首位に浮上できる直接対決で1・5ゲーム差に突き放された。

試合後の新井貴浩監督(47)は「あとちょっとのところまでね…」と2点差を追う9回に1点を返し、なおも一打サヨナラの場面をつくった攻撃陣の意地を評価した。ただ単なる1敗として割り切れないのが、7回まで4安打無得点に封じられた相手先発・大竹耕太郎投手(28)にまたもや〝カモ〟にされた点。これで昨季から公式戦で9戦7敗だ。

開幕前から攻略がマストだった天敵に、なぜこう何度も手を焼かされるのか…。その一因が左腕のフォーム以外にも、緩急自在の投球術であることは朝山打撃コーチも認めるところ。140キロ前後の直球や110キロ台のチェンジアップで球速差をつけられるだけでなく、さらに遅い80キロ台のスローカーブでも打者のタイミングをずらしてくる。特に脚を上げてタイミングをとる打者が多い赤ヘル打線にとっては、いっそう厄介な存在となっているのだ。

とはいえ、「合わない」ばかりでは進歩がなくいつまでもやられ続けることになりかねない。その中で工夫して、一定の結果につなげた打者もいた。

「3番・二塁」で先発出場した菊池涼介内野手(34)は普段のように脚を上げず、すり足のようにタイミングをとっていた。その結果、初回の第1打席は遊ゴロに倒れたものの82キロのスローボールをヒット性の打球ではじき返し、7回の3打席目は140キロ直球を中前へ運んだ。実に左腕の50キロ以上もの緩急に惑わされることなくついていった格好だ。

ただ、これは菊池個人の対策であり、どの打者にもあてはまるものではない。新井カープでは今後も狙い球を絞るなどのチーム単位の作戦ではなく、打者それぞれで攻略の糸口を探していく構え。何が最適解なのか、より対応力が求められそうだ。

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